(1)木は、地球の環境をまもるために、さまざまなはたらきをしていますが、くらしをささえる資源としても、とても大切です。家をつくる木、家具や道具にもたくさん木が使われています。
日本で毎年使われている木材の量は、約1億1000万立方メートルです。そのなかで国内で生産できる量は約20パーセントの2200万立方メートルだけで、足りない分は、アメリカ、カナダ、東南アジアなどからの輸入にたよっています。
年間の輸入量は、約8834立方メートルです。そのうち32パーセントが住宅施設に使われ、残りのほとんどが紙を作るためのパルプ
(注1)の原料です。原料となる木は、現地でこまかくくだかれ、チップ(木片)にして船で運ばれてきます。
新聞や本やノートのほかにも、私たちまわりには、たくさんの紙製品があります。牛乳やジュースなどの容器として使われている紙パックだけでも、毎日約8500本分のチップが使われています。①
これは電話
帳(注2)に
換算すると125冊分で、つみ上げると高さ5.6メートルにもなります。
このように日本は大量に木材を輸入しているので、森林
破壊 や
砂漠化(注3)につながると世界中から
非難されたことがあります。たしかに②
その危険があります。そこでその危険をふせぐため、製紙会社やボランティアが中心になって、世界各地で植林活動をすすめています。
(七尾純「資源とエネルギー」『環境のことば辞典③』大日本図書)
(注1)パルプ:木材や植物などから
繊維を取り出したもの。紙などの原料
(注2電話
帳:電話番号や名前、住所などが書かれた本の形のもの
(注3)
砂漠化:森林や草原などに植物が生えなくなり、砂漠に変化すること