練習54
間接的にでも政治な的活動をしている若者が増えているという。彼らはどんな動機で政治活動を始めたのだろうか。たずねてみると、「ほかの人と関わりを持ちたいから」という答えがよく返ってくる。人との関わりを求めて政治活動をするのか、と一瞬驚いたが、考えてみれば驚くことではなさそうだ。地域共同体の力が強かった時代は、地域の人との関わりを強制される面があり、自分から人と関わりを持とうとすることはあまりなかった。しかし、①今は違う。
また、「越味やボランティア活動の延長で、政治に出会った」という話も聞く。日常の仕事から離れてサークル活動やボランティア活動をする中で政治に出会い、自然な流れで②その活動に入っていったというケースだ。
以上は、仕事以外の生きがいを求めて政治に目を向けた例といえるだろう。
一方、「就職先として政治の場を選んだ」というとケースもある。政治家の公的な秘書、その秘書が雇う人、事務所の職員など、その周囲にはかなりの職がある。政治家の任期が終わり、次の選挙に落ちれば職を失うことになるが、任期中は安定している。特に参執院の議員の任期は6年だから、その秘書も6年は仕事があるわけで、一般的なアルバイトなどと比べればはるかによい。こうした選択は、長期的な就職先を見つけることが困難な時代を反映しているといえるだろう。