練習36 どのような仕事でも働く時に共通するのは、相手(人、機械など)があり、仕事を進める手段に手順があり、途中でその働きを評価し、最後にその働きで報酬や感謝の言葉、態度を受け取るということだ。確かに仕事はさまざまだし、その働きも仕事によって違いがあるように思われるけれども、その基となることを探ってみると、共通していることが多い。
 君たちの勉強にしても、ほとんど同じはでないか。先生などの相手がいて勉強が始まり、勉強には手順があってうまくその手順を覚えて従うと効率いいの勉強でがきる。勉強の途中で自分で、あるいは先生に、その途中経過をチェックしてもらう。すると、それからの勉強がうまくできていい成績がとれる。こう考えると、つまりは①学校で勉強していることが会社や社会で働くことを勉強していることになるのだと分るかだろう。(中略)会社で君たちが必要とする力は、どれだけものを知っているかだけでなく、どのようにして問題を発見し、その発見から得た課題をどう解きほぐす手段を持ち、努力を重ねて新しいものを作ったり、驚くような感動を与えたりできるかなのだ。

(森清『働くって何だ30のアドバイス』岩波書店)

1。 ①学校で勉強していることが会社や社会で働くことを勉強していることになるのはなぜか。