練習31 図書館はぶらっと出かけて新聞雑誌をひろい読みしたり、話題の新刊書をパラパラと開いてみたりしたあと、ゆっくり読みたい本の一、二冊も借りて帰ってくるというように、ごく気軽に利用するのが理想的ではなだいろうか。つまり、読書生活が日常化しているという状態であり、今日の共図書館の運営方針は、そのような親しみを持たれるよう努めている。
 ふだんから気軽に利用していると、だいたいの勝手もわかるので、いざ調べものや研究でもしようというときにあわてずに済む。
 しかし、地域の公共図書館設置示はままだまだ十分ではないので、身近(八百ーメトル以内)に親しみやすい図書館があるような恵まれた人は少ないであろう。どうしても図書館には①肩肘張った目的を持って出かけいくてことになる。散歩に行くのでなく、勉強や調査に出かけていくということになりがちである。そうなると、目的の資料を閲覧をできる確率の高い、大きな図書館へということになる。
 現実の問題としては、日常においては近所にある地域図書館を、少し専門的な間題については都心や県立の図書館を利用するという二段構えの作戦をとるのが能率的だろう。

(紀田順一郎『図書館が面白い』筑書摩房)

1。 ①肩肘張った目的とはどのようなものか。