練習29 ①
行間を読むという不思議な言葉ありがます。
たとえば誰かから手紙が来て、時候のあいさつ
(注1)が書いてあり、いま自分たちが活動しているNPO組織
(注2)の活動状況が書かれていて、「それほど豊かな財政ではありませんが、みなして
(注3)がんばってやっています。どうぞ心からの応援をおくってください」と結んである場合、読んだ人はどうするでしょうか。
なるほど、そう書いてあるからがんばれと、手紙の前で声援を送る人もいるかしもれません。けれど、心からの応援をおくってくれという言葉からいくらかの金銭的なサポートをしてほしい、あるいは手伝いに来てほしいと言っているのに違いないと思って、実際に行動に移る人も何人かいるのです。
(佐藤綾子『思いやりの日本人』講談社)
(注1)時候のあいさつ:手紙の初めに書くあいさつ文。四季の変化について述べる。
(注2)NPO組織:利益を目的とせず、社会的な活動を行う組織
(注3)みなして:みんなで