練習27 学校でも会社でも、「計算は速く正確にやれ」「厳密な答えを出せ」とばかり言われる。そうして、みんな頭がくたびれて、いつしか数がキライになっていく。「それはあまりにモッタイナイことだ」と筆者は思うのである。
 数に強くなると、いろいろ面白くて、実になることが多くなる。たとえば、いつも的確に判断できるようになるとか、物事を考えたおとりに動かせるようになる。そんなことを繰り返していると、とても自信がつく。そして、①もっとある。人が褒めそやしてくれるのである。だから、イイ気になれる(注1)。。。。
 そういう人は、脇から見ていると、妙に自信あり気で、立派な感じに見える。読者のみなさんのまわりにも、必ず一人はそういう人がいるはずである。

(畑村洋太郎『数に強くなる』岩波書店)


(注1)イイ気になる:良い気持ちになる

1。 ①もっとあるとあるが、何がもっとあるのか。