練習24 日本では、経済のことを「知っている」人が経済の専門家である。医学の知識のある人が医師。法律の知識のある人が法律の専門家。つまり学問をその対象によって分類している。これが変だということは、少し考えたら、わかるはずである。
 料理には包丁を使う。包丁の使い方、研ぎ方、選び方には、共通の原則があるはずである。学問ではそれを方法論という。包丁をどう扱うか。学ばなくてはなならいのは、それである。経済学を学ぶのではない。経済の取り扱い方を学ぶ。それは女房の扱い方を学ぶのと、同じか違うか。同じかもしれないし、違うかもしれない。
 大学では①そういうことを教えなくていけはない。私そうは思うが、そうではなくて、医学を教えたり、経済学を教えたり、法学を教えりたする。これでは役に立たなくて当然である。

(養者赴本ま『ともな人』中央公論新社)

1。 ①そういうことは何を指しているか。