練習18 文章には音楽と同じようにリズムがあります。音楽があるテンポで演奏されけれなば音楽しとて聞こえないように、読書もしかるべきスピードで読まないと知識しとて脳に入っこないてのです。僕は「速読(注1)法」という読書方法をあまり評価していません。
 速読とはたえるとなら、「ベートーベンの第五シンフォニーを五分で演奏してまおう」ということに相当します。しかし、そんなことをすればどんなに素晴らしい楽曲でも音楽として成立しません。
 文学もそれと同じこと。夏目漱石(注2)の『坊ちゃん』を十分程度でペッパッと読んでしまったら、脳の中で行われる情報処理としては、浅いものにならざるを得ません。

(茂木健一『「郎読む、書、く話」す脳活用術日本・語英語学習法』PHP研究所)


(注1)速読:速いスピードで本を読むこと
(注2)夏目激石:明治時代の小説家

1。 この文章で筆者が最も言いたいことは何か。