例題7 リーダーたるもの、必要であればメンバーを怒ることからも逃げてはらなない。締めるところを締めてこそチームの結束も強まるものだ。
 ではリーダーは、メンバーの何を怒ればいいのか。
 いちばん最悪なのは、相手の人格を否定する怒り方だ。「だからお前はダメなんだ!」などと怒鳴っても、ことは何ひとつ進展しない。怒るのはあくまでも、仕事への取り組みついにてであるベきだ。
 とはいえ仕事のミス自体を「何をしているんだ!」とただ叱咤(注1)するのもいただけない。リーダーならばメンバーのミスについては、なぜミスが起きたのかをまず分析したい(この点は後述する)。
 リーダーが本気で怒るべきは、メンバーの仕事に対する「意識」や「姿勢」に甘さが見えたときだ。
 たとえば、ある人が同じミスを何度も繰り返したときや、周りに協力を仰がねばならないのに本人が消極的なとき。口だけで行動がともなっていないときや下を育てる立場にいながら、後輩の力不足を嘆いているだけのとき(そこを伸ばすのが自分の使命だとわかっていない)。(中略)
 もちろん怒れば自分自身も気分はよくないし、相手もいったんは完全にしょげてしまう。だが、あなたが手を抜かずに本気で怒れば、相手もあなたの想いを汲み取って必ず奮起して(注2)くれる。

(藤巻幸夫『ジマフキ流アッイチームつくをるチームリーダーの教科書』」インデックスコ・ミュニケーションズ)


(注1)叱咤:大声で叱る
(注2)奮起する:やる気を出す

1。 この文章で筆者が最も言いたいことは何か。