例題6 スポーツをやる目的やかかわり方は種々多様である。オリンピックで金メダルを争うような熾烈なスポーツもあれば、勝敗はともかくみんなで楽しく遊べばよいというスポーツもある。健康のために、あるいはレクリエーションのためにというスポーツのある一方で、スポーツが仕事というプロスポーツも存在している。しかしやり方や目的は違え、どれもスポーツであることには変りはない。(中略)
 レベルは違ってもスポーツはスポーツなのであり、そのレベルから少しでもうまくなり、強くなろうとするやり方は基本的はに違いのないものである。頂点に通じる長い山道のどこを歩いているかの違いであり、けわしさや空気の薄さは上にいくほどつらくはなるが、歩いて進むことや歩き方には変りはない。そしてどこで立ち止まっても山の空気は新鮮で、景色は美しい。その人その人によって、どの高さで楽しんでもいいものだし、そうして誰にでももう少し高く登ってみたいと思わせるのがスポーツというものなのである。

(浅見俊雄ス『ポーツの科学』東京大学出版会)

1。 この文章で筆者が最も言いたいことは何か。