短文
(1)
 老人になるということは、赤ちゃんに戻っていくことである。自己中心的になり、衝動的になり、何回言っても同じ失敗を繰り返す。違うのは、子どもは大人に成長していくが、老人は徐々に大人らしさを失っいくてことだ。しわくちゃのおじいさんが失禁たしり、お膳のものをひっくり返したりするのは、赤ん坊と違って確かにかわいさがない。しかし、シェクスピアの言う「第二の嬰児時代」は、誰も通らねばならない「花道」なのだ。こう考えれば、しわくちゃの赤ちゃんのケアはどうあるべきか、おのずからわかってくる。

(日野原重明『いのちの言葉に』よる)

(55)筆者が一番言いたいことはどれか。

短文
(2)
 「さて、今日は何を食べようか」とか、服などを買う場合でも「この服にしようか、いや、あの服ほうのがいい」などと、何かするをときに、いつも迷う人は、優柔不断な人だ。そんな傾向は日頃の自分の態度で気がつくはずだ。迷いこだわがりから発しているのなら問題はない。だが、何でもかんでも迷って決められないのは困る。自分でその点に気がついたら、とりあとえず、イエス、ノーをはっきりさせる、またいくつかの選択があるなら、とりあえずいずれかを選んでしまうことだ。

(樋口裕一『頭がいい人、悪い人の話し考』による)

(56)自分でその点に気がついたらあるとが、「その点」は何を指しているのか。

短文
(3)
 上司から一と段高い仕事を与えられる。あるいは一度いくにつもの仕事を任される。たいていの場合は一瞬戸惑ってまうしだろう。「本当に自分にできるのだろうか」「一度にそんなにたくさんの仕事をこなせるだろうか」と不安になる。しかし、そこから逃げてはいけない。やれるかやれないかよりも、とにかくやってみるべきである。できない理由をあれこれと探すのではなく、できる方策を考える。このチャレンジ精神が何よりも大切だと思う。

(江口克彦『部下の哲学』による)

(57)筆者が一番言いたいことはどれか。

短文
(4)
 子どもに期待したほうがいいという考え方には、「過度な期待で子どもが潰れてしまう」という反論がある。では何が「過度な期待」なのであろうか。過度な期待というのは、能力の限界に対する評価の問題だ。思ったほど成績が伸びない。やれば伸びるはずだ。伸びないのはやり方が悪いはずだと思うのは構わない。しかし、一日に英単語三十個覚えられないから怒ったりとか、自分ができないようなことを子どもに期待するはのおかしい。

(和田秀樹『頭をよくする習慣術』による)

(58)筆者が一番言いたいことはどれか。

短文
(5)
 仕事の場にけるお電話なでど、「それでは後ほど、うちの女の子にでも届けさせます」などといった台詞を聞くことは少なくない。女性を非常に見下ろしている姿勢が如実に露呈されている表現である。「女の子」いうとのは、若い女性を軽んじていう言葉だ。「にでも」という言葉には、誰でよいものだが、という気持ちが込められている。単なる使い走りをする人である、というニュアンスが感じられる。(  )、「届けさせる」といって、命令をてしさせる点も強調している。

(山崎武也『上品な人、下品な人』による)

(59)(  )の中に入れる言葉として、正しいはのどれか。

中文
(1)
 人間にはそれぞれに、持って生まれた能力や特性がある。それぞれの能力というものに優劣があるわけでは決してない。音楽の能力や絵を描く能力のどちらが優れているかというのは言えないし、比較をすること自体おかしいことだ。
 同じように仕事の中においても、営業能力と管理能力を比較することは、おかしい。比較できない能力に、ましてや他人から見て差をつけるなどということは、やるべきではないと私は思う。
 確かに同じ仕事をしているのに、実績などに差が出てくることは、よくあることだ。要領が良くて飲み込みの早い人間もいるだろう。少々要領が悪く動きの遅い人間もいるのだろう。そのときだけを比較すれば、①“できる人間"と“できない人間"がいることが確かだ。しかし、それは、あくまで一時的なことに過ぎない。
 たとえば、若い頃は速く走る能力があっても、歳を取ればその能力はなくなってしまう。逆に歳を取ることで、物事をじっくり考える能力が身についてくることもある。つまり、能力というのは、その時々によって常に動いているものだと考えべきるなのである。
 ( ② )、上司が部下を評価する時に、その時点の能力けだで単純に永遠の評価をしてはならない。ましてや、能力の評価を、人間の評価に結びつけるなど、もってのほかである。能力がないから人間的にもダメなやつだ、などということは絶対に思うべきではない。

(江口克彦『上司の哲学に』よる)

(60)①“できる人間"と“できない人間"とあるが、その説明として本文の内容と合っているものはどれか。

(61)( ② )に入れる言葉しとて正しいものはどれか。

(62)文章の内容と合っているものはどれか。

中文
(2)
 長い間演劇に携わっていても、今でも驚くのが「役者はなぜこれほど変わるのだろう」ということである。メイクや衣装で、見栄えだけでも相当違って見える。が、変わるのは外見ばかりではない。立ち居振る舞いから、極端な時には人格まで変わってまっしたのだろうか、と驚くことがある。
 ー人の役者に医師の役を当てる。普段着で練習する時はそうでもないが、白衣を着せると途端に医者に見えてくる。役者だから、当然といえば当然だが、医師風の歩き方、所作、話し方に変わっていくのだ。同じ役者に、今度は兵士の役を当て、兵隊の衣装を着せる。( ① )、兵士の歩き方、喋り方になり、果ては思考方法まで兵士に変わっていく。
 アメリカの心理学者フィリップ・ジンバルドが②こんな実験を行っている。新聞で公募した二十四名を、無作為に「内人役」と「看守役」に、半分に分ける。因人役は警官に逮捕された後、取調べを受けて囚人服を着せられ、監獄に入れられる。看守役は、制服を着て、警棒を下げ、囚人を監視する。どちらも、それらしく振舞うよう指示されわけるではない。ところが、服を着せるだけで、本物らしい振る舞いになっていったのである。囚人は卑屈な態度を取り、看守は命令口調になる。
 言葉遣いは行動が変われば、やがて思考方法も変わってくる。つまり、人は服装によって変わる可能性がある。

(竹内一郎『人は見た目が9割』ぇによる)

(63)( ① )に入れる言葉として、正しいのはどれか。

(64)「②こんな実験を行っている」とあるが、実験の内容と合っているものはどれか。

(65)文章の内容と合っているものはどれか。

中文
(3)
 人間は誰でも二つの天才的な才能を持っているそうです。言い訳をすることと、ぐずぐずすることです。この二つのことが揃ったら人怠け者の天才ができあがります。
 実際、私たちは「できない言い訳」ならいくらでも言えます。( ① )、怠ける言い訳しか言葉を使わない人もいるくらいです。
 ぐずぐずするのも人間は得意です。今しけれなばならないことがあるのに、「今でなくでもいい」と考え、先へ先へと延ばす。
 どうしたら怠け心にさよならできるのでしょうか。
 私がお勧めしたいのは、とにかく始めてみること。やらなければならないことが今そこにあるなら、「まだ準備が…」とか「できるだけ合理的に」などと考えず、とりあえず手をつけるのです。
 着手すれば、それらの問題は自ずと明らかになります。具体な的解決策を立てることもできるでしょう。また、そこから興味や面白さ、楽しさも出できます。
 つまらなそうな仕事を熱心にやっている人は、決してうんざりしながらやっているわけではありません。どんな仕事も前向きに取り組んでいると、必ず面白味が湧いてくるものです。
 「どうせこんな仕事、大して役に立つわけでもないし」
 ②これでは自分を卑屈にするだけです。すべての仕事は必要があって、生じたものですから、仕事の軽重を天秤にかけてはいけません。何事も率先して取り組み、遂行できるかどうか。③ここであなたの真価が問われます

(重茂達『「35歳までに必ずやるべきこと』による)

(66)( ① )に入れる言葉として、正しいのはそれか。

(67)②これでは自分を卑屈にするだけですと③ここであなたの真価が問われますとあるが、「これと」と「ここ」はそれぞれ何を指すのか。

(68)この文章で筆者が一番言いたいことはどれか。

統合理解
相談者:
 自分は内向的で自意識過剰、中途半端な完ぺき主義で人付き合いも苦手です。また、アメニやゲームにのめり込み、空想癖もあります。そんな自分ですが、来年に結婚を予定しています。この結婚というのも、打算と自己分析の結果自分で決めたわけですが…
 相手は明るく元気でバイタリティに溢れる人で、経済的にそこそこも余裕を持っています。しかし、言葉がきつく、大雑把で時間にルーズなところがあってきらいです。また大酒のみで酔っ払うのも嫌いです。もっとアニメやゲームに出てくる女主人公のようにおしとやかに、もっとさやしくなってほしい。こういう気持ちを彼女にも伝えたでのすが、何の変りもありません。このように理想と現実との間で悩んでいます。本当このにまま、結婚に踏み切ってもいいのでしょうか。

回答A
 アニメと現実は違う。これを自覚することが、まず何よりも大事とだ思います。
 そして、相手を変えようするとよりも、自分を変えるほうが簡単ですし、自分を変えることで、相手も影響されて変化していきますから、あなたが自分を変えようとしていることこそ、一番の幸せへの近道だと思います。
 彼女には彼女の良さあるがのですから、その良さを見て、感謝しいくてことが大事とだ思います。そして、どういう理由でも、結婚るすと決めたのは、あなたです。結婚生活を険悪なものにするよりは、良好なものにすることが、幸せな人生につながっていきます。本気で取り組んでいってほしいと思います。

回答B
 付き合っている段階からもう彼女に嫌悪感を抱いているようなら、やはり本気で彼女のことが好きなのではないかも。恋人の間ではお互いの欠点への許容が必要です。自分の思っいるてことを、彼女に打ち明けたら、どうでしょうか。
 そして、現実はアニメと違い、アニメの登場人物ようのに、美くして自分にやさしい女性などどこを探してもたぶんいないのでは。現実と妥協する必要があるのではないでしょうか。

(69)相談者の気持ちとして、テキストの内容と合っているものはどれか。

(70)回答者の回答として、文章の内容と合っているものはどれか。

長文
 最近いろいろな場所で、子どもたちを授業に集中させるのが難しいという話を開く。授業中に立ち歩く、隣の子にチョッカイを出す(注)、指示に従わない…これは中学校や高等学校の話はでなく、小学生の話なでのある。
 六年生のA君は、授業が始まっても教科書を出そとうせず、隣の子とおしゃべりを続けている。担任が注意すると、プイと席と立ち、教室らか出て行っしてまう。時には親分を引きつれ、二〜三人一斉に出て行くこともある。追いかけて問い詰めると( ① )という。そして、あとは何を聞いても「別に」という言葉が返ってくるだけである。
 勉強は塾ですませていて、授業中は退屈している子どもも、勉強が難くして分らかない子どもも、学校で何か楽しいことはないかなと思っている点では同じである。そこで友達が先生に反抗する姿は、結構刺激的で面白いことようのだ。中には、A君を義望の目ざしで見ている子どももいる。
 子どもたちを何とか授業に集中させたいと先生方は懸命だが、テレビやテレビゲームより面白く、楽しい授業を作り出すことは、そう簡単なことでなはい。ゲームやお笑い番組にどっぷり漬かり、②物分りよいの大人と豊かで欲求充足的な生活に慣れた子ども達にとって、学習はどんなに工夫されてもやっぱり自分との闘いや努力、がまんが必要なことである。こんな子どもをどう指導したらよいのだろうか。
 教育の実情を保護者会で話すと、子どもが学校で荒れのるは、学校に問題があるからでしょう、家ではおとなしく良い子ですと反論される。なかには、学校の様子を知らせると、親に恥ずかしい思いをさせると、子どもに暴力を振るう親もあるとか。こうなると学校と家庭の関係は不毛の悪循環を繰り返すことになってしまう。これは決して特殊な例でなはく、現在の義務教育が直面している現実である。
 最近、世の中全般に、楽しいことこそ最高といった風潮が強く、学校についても楽しくなければ学校じゃない、学校がもっと楽しいところになればという議論が多い。学校側の努力はもちろん必要だが、大人はもっと本気で子ども達に③楽しさの本当の意味を伝えなくてはならないのではなかろうか。

(森田光子「楽しい授業」読新聞売2004年11月12日よるに)


(注)チョッカイを出す:余計な口出しをする

(71)( ① )に入るものとして、最も適当なものはどれか。

(72)②物分りよいの大人とはどんな大人だと思われるか。

(73)③「楽しさの本当の意味」とは何か。

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(74)休館日について、説明が正しいのはどれか。

(75)図書の館案内ついにて、正しいものはどれか。