(2)
話しかけるタイミングの悪い人が増えた。彼らは呼吸が上手くつかめないのである。
私はこれはネット社会の影響だろうと考えている。
電子メールは便利である。メールのおかげで、ビジネス関連の時間、特に伝達事項にかける時間がずいぶん短縮された。こちらは、時間の余裕あるの時にメールを書けばよい。相手も、時間の余裕のある時に読めばよい。自分の都合、相手の都合、双方に利益があるのである。
①
これを繰り返しているぶんには、相手の都合を考えくなてもいいのである。自分の都合のいい時に「伝達」が済んでしまう。ということは、相手の様子を読むトレーニングを積まなくなる。相手の呼吸に合わせるという感覚がなくなっていくのである。
電話は、こちらか、相手か、どちらか忙しくても伝達を簡略化させくたなるものだ。②
だが、それをぐっと堪えて相手を察する。相手の真意を扱もうとする。それが相手の呼吸を掴むトレーニングになる。
だから、電話がいいとはいわない。私も電子メールは便利だと思う。もう、これがなくては、ビジネスは前に進まない。しかし、単純に便利な社会になったとも思えないのである。タイミングという概念は「自分中心」の人には必要ない。アルバイトの面接などをしていると、「これほど自分中心の人が増えたのか」と暗澹たる気持ちになることがある。
(竹内一郎『人は見た目が9割』による)