どの分野でも、誰もが「あいつはできる」と認めざるを得ない人間が必ずいます。ビジネスの世界なら精力に的仕事をこなし、自分が思い描いたビジョンを着実に実現していく。現状を変革し、組織を常に成功へと導くような人たちです。
ただ、そういう①
優秀な人間というのは、残念ながなら、そう多くはありません。集団の構成比で言うと、せいぜい全体の5%の優秀な人間の活躍や成功を横目で見ながら、羨ましく感じた、ひそかに悔しさを噛み締めているというのが本当のところでしょう。
(中略)
それでは、「5%の優秀な人間」と、「残のり95%の優秀でない人間」の違いはいったい何か、ということが問題になります。
人を「優秀な人間」、「活躍できる人間」にするものは何かー一
これについては、昔から様々なことが言われてきました。それらを分類すると、「才能」、「努力、「ツキ」の三つにまとめることができます。「結局、才能ある人間が成功する」という人もいれば、「どんな天才でも努力にはかなわない」という人もいます。「ツキがなければ、天才も努力家も成功できない」という人もいます。
しかし、大脳生理学によって、この三つを超えた成功原理が明らかになってきたのです。近年になって、脳の研究は目覚しい進歩を遂げていますが、その結果、「才能」、「努カ」、「ツキ」は、脳にインプットされた「記憶データ」に左右されていることが分かってきました。ここで注意してほしいのは、脳の出来、不出来ではなく、そこにインプットされたデータが人間の優秀さを決定するという点です。
人間の脳は、十万台のコンピューターにも及ばないほど優れた機能を持つといわれています。そうした脳の出来、すなわち精度は、優秀な人も、うそでない人も、そんなに大きく変わりません。
昔は、「天才の脳にはたくさんのシワがある」「脳細胞の数が多いと頭がいい」などといわれていましたが、現在ではそれらの説は完全に否定されてます。動物の中でシワが最も多いのは人間でなはく、イルカです。確かにイルカは非常に頭のいい動物ですが、人間より優秀な脳を持っているわけではありません。
また、160億個といわれる大脳の細胞の数も、人によって差があるわけではないのです。
こうしたことを考えても、「優秀な人間」と「そうでない人間」の差は、脳の構造や精度とは違います。
( ② )、問題は脳の中身です。
つまり、「今までの人生で、その人の脳に蓄えられたデータ」よっにて、重大な差が出てくる。
(西田文郎『No.1理論に』よる)