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 人間の弱さを知り、悪い心も知り、自分の中に誘惑に負ける気持ちがあることを認め、その上で精錬潔白であってこそ、知的な生き方だ。それを知らなければ、愚かとしか言いようがない。ところで、その種の人が、もし本当にボランティア活動をし、支え合う社会を作るために地道な努力をしているとすれば、それはそれで尊敬に値するだろう。だが、それをしないで、ただ口先できれいごとを言っている人が多い。だが、それでは、人に説教する資格はない。何もしていないのなら、ほかの人と何ら変わりはないのだ。

(樋口裕一『頭がいい人、悪い人の話し方に』よる)

1。 (58)筆者が最も言いたいことはどれか。