「あの⼊って、とっても”ほめかた”がうまい」
 あなたの周囲に、こんな評価をされている⼈が何⼈いるでしょうか。残念ながら、きっと「ノー」と答える⼈が多いと思います。
 それでは逆に、あなたの周囲に、
「なにかといえばすぐ叱りたがる⼈はいますか」と開けば、今度は「イエス」と答える⼈のほうが多いはずです。
 実は、[ 50 ]のは、現代の⽇本⼈の特徴のひとつなのです。
 ⽇本という国は、「いいこと」をするのは当然で、「悪いこと」をすれば叱られるという「減点主義」の社会だったためです。減点主義の下では、なぜ減点されるのがを説明するためには、[ 51 ]。このためどうしても、ほめる機会は少なく、叱る機会ばかり[ 52 ]多くなってしまうのです。
 これが「加点主義」の社会なら、その⼈のなにが評価されているかが問題になりますので、どうしてもほめることが多くなるのです。
 これは、⽇⽶の⽂化の違いのひとつといっていいかもしれません。ほめれれるためには、ときには個性を伸ばすことも⼤切になりますが、叱られないためには、なるべく個性は抑えて⽬⽴つたないほうが無難(注)です。[ 53 ]、ほめられるためには⾃⼰主張も必要ですが、叱られないためには協調することが[ 54 ]。

(⻫藤茂太『いい出会いが豊かな⼈⽣を運んでくる』⻘春出版社)


(注)無難︓問題がない

1。 (50)

2。 (51)

3。 (52)

4。 (53)

5。 (54)