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 医療の現場では、とりあえず15歳以下を子どもとして扱い、小児科(注1)の診察対象としている。おおざっぱに、中学生まではまだ子どもということだ。
 内科医だったぼくの経験から言えば、中学生はたしかに子どもだと思う(いろんな意味で)が、こと病気に関するかぎり、ほとんど内科的な考え方で診療できる。小学生も、高学年ならなんとかなる。低学年も、やや苦しいところはあるが、まあ、なんとかなる。お手上げなのは乳児(生後(注2)一年未満の赤ん坊)だ。これは恐くて手が出せない。

(永井明『もしも病気になったなら』岩波書店)


(注1)小児科:15歳以下の子供の病気を専門にあつかう医療
(注2)生後:生まれた後

1。 (問4) 筆者は、内科医だった経験からこの文章を書いている。病気になったとき、内科ではなく、小児科に行かなければならないのはどんな子供か。