私は同じ銀行で10年間仕事をしてきた。夏は涼しくて冬は暖かい銀行で働くことについて友達からうちやましがられている。しかし、銀行員としての仕事は順調なことばかりではない。乗務員、介護職、カウンセラー、コールセンターのヘルプデスクの係りなどと同様に、銀行員の仕事は精神的なストレスが多い、いわゆる感情労働者なのである。業務の40%以上が感情コントロールしているのだ。
 お客さんと直接対面する場合が多いため、自分の感情を少しでも表に出さないよう、常に注意しなければならない。
 しばらく前からストレスによるうつ病だと診断されて病院で通っている。すべての人が自分の感情を素直に表現することは出来ないと思うが、銀行の上司から求められる感情の抑制と、いつも笑顔を保たなければならない私の人生がとても惨めに感じられてしまった。心から笑ったのがいつかさえ思い出しない。銀行を訪れるお客さんたちに親切な物の言い方と態度を見せるのは当然のことだが、自分の動作、ふるまいの全てまで気にしなければならないこと、何があっても笑顔を維持しなければならないことは容易ではない。このようなことに神経をすり減らしながら、小さなミスも許されないお金を扱う業務もこなさなければならないのだ。
 私の家族は家で私と一緒に過ごす時、あまり話をかけてこない。感情労働の仕事で疲れ切った私に気を使っているのだ、家族の前で笑顔も見せられない自分が嫌になる。お金をもらって仕事をしているかぎり、仕方がないことだと思うながらも、本当の私の姿とは違い姿て生きていかなければならないのだから。
 我々は、サービス業に従事している人の親切な能度に対する期待が大きすぎるのではないだろうか。笑顔が親切さを代弁するわけではない。場合によっては笑わずに話をしなければならない時もある。
 銀行はメイド喫茶ではない。どんな場合でも優しくて伊寧に話し、低姿勢で接する必要はないと思う。
 私は銀行員や顧客サンタ―の相談係の自殺に関するニュースを聞く度に人ごととは思えない。Ⓔ感情楼働に携わる私たちに必要なのは法律的な保護ではなく、顧客や消費者のちょっとした配慮なのだ。

1。 問4:筆者は、銀行員の仕事についてどう述べているか

2。 問5:筆者が述べている当然のことが指しているのは何か

3。 問6:この文章で、筆者が一番言いたいことは何か