学生A
 最近の学生はアルバイトをしているかどうかにかかわらず、親からお金をもらい、しかもそれをあたかも自分の金であるかのように考えている、というような論調がある。確かにアルバイトもせずに親からのお金だけで生活することは問題がある。アルバイトを通じて様々な経験ができるだろうし、多くの人との出会いがあると思うので、何か事情がない限りはするべきだろう。しかし、もしもアルバイトに精せいを出し過ぎて(注1)、肝心(注2)の学業が疎おろそかになるようであれば、むしろしない方が良いのかもしれない。学生の本分はあくまでも学業であってアルバイトがそれを邪魔することは、あってはならないことだと考えるからだ。従ってアルバイトをしていない学生が必ずしもだらしがないとは言えないのではないか。

学生B
 アルバイトが学業の邪魔になるかどうか、それは人それぞれの事情によって異なってくるだろう。しかしアルバイトをせずに大学と家との往復を繰り返す生活ならば、私の答えは否である。数多くの経験をするための手段として、アルバイトは最も手軽てがるな手段だと私は考えている。家や大学とはまた違った社会経験といった意味から、アルバイトは自分の希望する経験もできるし、それは大学卒業後の社会人への道にもなるのではないか。またアルバイトでの仕事は現実的な問題を解決したり、自分自身で責任を持つといった点からも、少なからず実力をつけるための良い機会になると思う。このような理由から私はできる限りアルバイトはした方がいいと考えている。
(注1)精を出す:精いっぱい働く
(注2)肝心:最も重要なこと

1。 (問1)本文に出ているそれとは何のことか。

2。 (問2) 学生A、Bに共通している考え方は次のうちどれか。