社内英語公用化についての賛否
A
日本企業が海外進出して、その国で競争力を高めようと思ったら、その国の一流人材を採用する必要がある。その際、英語を公用語にしているライバル会社を蹴って(注)、日本語が公用語である会社に優秀な若者が来てくれるだろうか。例えば、中国で、日本のソニーとアメリカのアップルが採用活動しているとする。もしソニーの会社で日本語しか使えない環境だったら、じゃ日本語ができなく、英語ができる優秀な中国の若者は、当然、アップルに行くだろう。
(注)蹴る:要求、提案などを受け入れないで、きっぱり断る
B 私は社内英語公用語化など全く無意味だと思っている。幹部ならまだわかるが、一般社員にまで社内で英語を使わせることになんの意味があるのか。ほとんどの社員は、海外赴任ふにんを経験しないまま会社人生を終えることになる。そんな社員に社内で英語を義務付けるとは、あまりにもおかしな企画だ。日本人で英語を本当に必要とする人は、たった1割しかいないと思う。この1割という数字は、海外で働く日本人、外資系企業の従業員、大手ホテルや外国人向け旅館の女将(注)、新幹線の案内員など英語を必要とする立場、職業の数から考えた数字だ。残りの9割は勉強しても使う場合がない。むしろ今はそんなに必要とされていない国際会計や国際法でも学んだ方が将来のためになると思う。
(注)女将:日本式旅館にいる女の店長