次は整形手術に対する二つの意見である
 A整形手術に対する認識が大分変わってきた。自ら整形を告白する芸能人も増えている。しかし、未だに整形手術に対し、一部から反対の声が上がっている。もちろん、元から綺麗な人がまた整形手術を受ける場合もある。その場合は、むしろ本来の美しさを汚すことになるかもしれない。しかし、外見に対しコンプレックス(注1)が強い人の場合は整形手術を通し、精神的なダメージに対する治療になる。また、心理的に抑えられていた何かを
取っ払うことにもなるので健康にもよい影響を及ぼすという研究結果もある。モデルになって、社会的な成功を収める人も多い。そもそも、整形手術を批判する理由は曖昧なところがある。化粧をする、髪の毛を染める、植毛(注2)する、ダイエットのためにサプリメント(注3)を飲む、これらは体に悪影響がある場合も多いが、お金を払って自分の体に手を加える行為である。結局、自分本来の姿と違う自分を追求する意味では同じでは
ないだろうか。
(注1)コンプレックス:自分が他人より劣っているという感情
(注2)植毛:毛を植えつけること
(注3)サプリメント:不足しやすい栄養を補うための食品

 B何事も一長一短があるように、整形手術の美しさの裏にも、我々が知っておくべき副作用が存在する。整形手術は一種のギャンブル(注)である。自分が望んだ通りの整形ができたらその瞬間から外見に対するコンプレックスは消え、職場や学校などで人気者になるかもしれない。しかし軽々しく手術した後、思ったのと違った外見になることや医療事件などが発生した場合、一生後悔することになる可能性もある。確かに、整形手術の効果は目に見えるもので、多くの人がその誘惑に負けているのも事実である。しかしそのため、社会はますます見た目重視になっていき、社会のあらゆるところに影響を及ぼしている気がする。そして、「世の中が求める平均的な顔」をいろんな人に知らず知らず押し付けることになる。しかし整形を望まず自分の個性を大切にしており、外見がそこまで魅力的ではない人にはむしろ、生きづらい社会になるのではないだろうか。
(注)ギャンブル:賭け事

1。 (10)AとBどちらの文章でも触れられている点は何か

2。 (11)整形手術に対するAとBの立場として正しいのは何ですか