集中というのは放棄することである。何か一つのことにはまってそれ以外のものは全くできなくなるからである。我々はすべてのことを完璧にやりこなそうとしている。ある程度の水準にまで上がって行くことは出来るとしても、最高になることはできない。 現代社会は選択と集中の時代である。多くの会社もこのような選択と集中を行っている。社会的に知名度が低い中小企業は、ひとつの製品にすべてを賭けるしかないが、その製品の成功を収めてこそ、ようやく会社の運営が可能になる。大手企業も勿論、この方法をベースに会社の成功を図っている。その製品の成功のために、残りの全ての製品は徹底的に放棄されている。 ある講演会でのことだが、眼鏡を外したら、新聞の記事が全く読めない男性に、穴が空いた小さなカードを与えた。すると、その男性は穴を通して新便の全ての文字を読みきることができた。これが集中というものである。穴を通して全力を尽くしながら字を読もうと努力し、結局すべての字を読み終えることができたのである。余計なことにはまって自分の力を無駄に消費していないか。成功したいなら、価値のあることに集中するべきである。勿論それ以前に正しい選択が先に行われるべきである。