短文
 タ方6時になっても、先生たちが教育について議論を戦わせている学校がある。校長先生は、昔はこんなことはなかったと語る。「遅くまでいることがいいことだとは思わないんですが、熱心な先生たちの姿を見ていると、これはこれで貴重だと思うんです。」
 というのも、校長先生には未来は明るくないという思いがあるからだ。「今の日本は、勉強しなくても、学力をつけなくても、いちおう生きていける社会です。しかし、これから20年後、30年後にそれでもいいかというと、けっしてそうは思えないのです。」

(55) この校長先生の考えとして、合っているものはどれか。

短文
 だれもが認めることだが、日本人はとにかく忙しく、時間がない。少しの暇も惜しんで、仕事に、学習に、レジャーに、一生懸命がんばる。あるいは、がんばらずにはいられないのかもしれない。まじめなのはいいことだが、自分のことに一生懸命になればなるだけ、その分、他人に対する無関心は高まっていく。他人のことをかまっている余裕がなくなるのである。
 大阪のある駅で、先日、駅前にある植え木の間から、死後2か月以上経った死体が発見された。植え木に隠れて見えなかったとはいえ、一日の利用者が百万人を超える駅に、警備員や清掃員はいないのだろうか。だれー人気がつかなかったというのは、おどろきである。これが日本の大都会の日常なのだ。

(56) この筆者から見た日本人の特徴はい、どんなことか。

短文
 もともと猫好きで、飼っている猫のこと、死んでしまった猫のことについてはいくつも文章を春いたことがある。子どものころは家に犬がいたけれど、これは頑固(注)なテリア犬で、小学生の私を主人として認めていなかったから、私の言うことなどまったく聞かず、散歩に連れて行くのも面倒なだけだった。もっと歩きたいのだろう、どんどん先へ歩いて行こうとする犬を引っ張って帰って来るのがいつも苦痛だった。私はその犬が好きになれなかったし、犬の方も私のことが好きではなかった。要するに、(  )
(注) 頑固 : 人の考えを受け入れられず、自分の考えを変えたようとしない人性格。

(57) (  )に入る最も適当な言葉はどれか。

短文
レストラン ソレイスユ
支配人様

 先日、貴店で食事をしました。開店以来いつも満員なのを見ており、初めて行ってみました。値段は少し高めかなと思いましたが、窓からの眺めもよく、景色を楽しみながら一口料理を食べてみて、閉口。素材がいたんで、すっぱくなっていました。料理長に来ていただいたところ、「それは油のにおいで品質には間題ない」とのこと。料理を食べてみもせず、私の話を聞いてもくれない態度にがっかりしました。新しいレストランができることは、町の発展にもつながり、うれしいことです。だからこそ、期待を裏切らない対応と品質管理をお願いしたいと思います。

(59) ①そうすればとあるが、どうすることか。

(58) この手紙の書き手が言いたいことは何か。

短文
 私たちは、最初に見たときの印象にしばられ、物事の一部をとらえて、そのすべてを知ったように思いがちだ。しかし、遠くから見れば美しい富土山も、近づくにつれて岩だらけの荒々しい姿に変わる。一つの風景も、見方によって違ってくる。
 だから、物を見るときは、ちょっとだけ立ち止まって見方を変えてみてはどうだろうか。一歩近づいて見てみる。時間をかけて、何を中心に見るかいろいろ試してみる。①そうすれば、きっと今までに見られなかった風景が見えてくるだろう。

(59) ①そうすればとあるが、どうすることか。

中文
(1) 
脳は、もともと飽きっぽくできているものです。ですから、同じことを三日も続けられない人が多いのも、実は当然のことなのです。では、どうすれば長く続けられるのかというと、脳を「だませば」いいのです。①脳を「だまして」、やる気を起こきせる。その4つの方法を紹介しましょう。
 1つ目は身体を動かすこと。身体は脳に支配されていると思われがちですが、本当は逆です。「やる気が出たからやる」のではなく、「やるからやる気が出る」のです。ですから、生活のリズムをくずして、日曜の朝、寝坊することはおすすめできません。脳を活発に動かすためには、スケジュールを立てて、身体を動かすこと。場所の移動も効果的です。
 2つ目は、いつもと違うことをすることです。脳は初めての物事に対すると脳の奥深くまで動かして、問題を処理しようとする。ところがいつもと同じことなら、脳全体を使わなくても、処理できてしまうからです。
 3つ目は、達成感。つまり、やって良かったと思えること。子どもが、いいことをして親にほめられたり、お菓子やお金をもらったりすると、とてもやる気が出るのと同じです。
 4つ目はイメージを強くすること。自分が成功する場面を想像して、その自分になりきることで、やる気が引き出きれるのです。
 ー流の仕事をする人というのは②この4つの方法を上手に利用しています。ですから、仕事がうまくいかないときも、損害を最小限におきえ、成功を続けすられるのです。

(60) ①脳を「だまして」とあるが、どういうことか。

(61) ②この4つの方法の例として、正しいものはどれか。

中文
(2)
 この二、三十年の間に、日本人の考え方や行動は少しずつ変化してきた。
 まず、環境問題への関心が高くなった。それは、もしかすると私たちの社会は自滅(注1)への道を進んでいるのかもしれないという思いを社会に広めた。そればかりではなく、経済発展に対する迷いも生まれてきた。経済の力は必要かもしれないが、それだけでは社会の維持は保証できないし、私たちも幸せにはなれないのではないかという思いが、少しずつ広がっていった。
 もうひとつの大きな変化、それは個人の社会から、協力し合う社会へと、私たちの社会目標が変わってきたことである。強い個人の確立(注2)が良い社会を作るという以前の考え方に代わって、「共同性」、「支え合い」といった言葉が社会づくりのキーワード(注3)になってきた。
 そして、①これらの変化が、農村社会への関心を高め、同時にNPO(注4)やボランティア活動(注5)の時代をひらいていったのである。その結果、いまではどの地域に行っても、無理をせずに農山村で暮らす高齢者や、農業を志望する若い人々が見られるようになった。都市でも消費者と生産者をつなぐ活動が広がり、都市と農山村の新しい結びつきも生まれてきた。
 このようなさまざまな動きが、徐々に社会の価値観を変えていった。経済の発展や強い個人が豊かな社会をつくる、という発想では不十分だと考える確実な変化が、社会のなかに生まれてきたのである。

(内山節「時代を読む」2009年9月20日付け東京新聞朝刊による)


(注1)自滅:自分で自分に悪い結果を招くこと。自分の行動が原因で死ぬこと。
(注2)確立:しっかり打ち立てること。
(注3)キーワード:keyword重要な言葉。かぎになる言葉。
(注4)NPO:Nonproft Organizationお金をもうけることを目的としない法人。
(注5)ボランティア活動:volunteer社会のために自分から無料で行う活動。

(62)①これらの変化とあるが、どのようなことか。

(63)本文の内容とあっているものはどれか。

中文
(3) 
私は①靴に四十年も悩まされてきた
 私は、中学二年になって急に身長が伸びてきた。妹の私が見を追い越した。いっしょに足も大きくなった。高校生のときは、大きい靴がとてもはずかしかった。就職して初めての給料で、いちばんに靴を注文した。しかし、出来上がった靴は、かわいらしいとはとても言えないものだった。
 それからずっと、靴には困らされてきた。足に靴を合わせるのではなく、無理をすれば履けそうな靴に、足を合わせてきた。縮めていた指は、変形し、爪は何度生え変わったことか。痛くならない靴などないのだと、あきらめていた。
 ところが五年ほど前、何となく開いた雑誌に東京の小さな靴屋が紹介されていた。私と同じように合う靴がなくて悩み続けていた人が、そこの靴で悩みが解消されたという話も出ていた。これなら、と期待がふくらんだ。
 数か月後、用事で東京へ行ったついでに、その靴屋に寄ってみた。心配そうに靴を脱いで見せた私の足に、靴屋さんはさわって言った。
 「②これは大変でしたね。腰まで痛かったでしょう。」
 そうして、試しに履かせてくれた靴の履きやすさといったら……足をやさきしく色んでくれて、指はのびのび伸ばせる。こんな靴がこの世にあったのか、と感動した。そのまま履いて帰りたかった私は、その場で一足注文した。
 「海辺で育ちましたか?」と、靴屋さん。
 「ええ。海のすぐ近くではなかったですが……」
 「そうですか。魚をたくさん食べて育った人の足ですよ!」
 「ん?……ええ、魚は大好きです。でも、どうして?」
 「三浦海岸に住んでる人も同じ足でしたよ。どうしてなのかねえ……」
 靴屋さんの笑顔が、③(___)。四十年かかって、ようやく出会えた笑顔だった。

(官部紀子「魚を食べた足」『片手の音一一05年版ベスト・エッセイ和集]文革春秋による)

(64)筆者はなぜ、①「靴に四十年も悩まされてきた」のか。

(65)「②これは大変でしたね」とあるが、何が大変だったのか。

(66)③(___)に入る言葉として最も適当なものはどれか。

統合理解
利用者 : A
 私はこの3月に高校を率業して、今は大学受験の準備中です。この図書館は小さいですが、あまり混まなくて静かなので毎日来て勉強しています。以前は、平日だけ開いていたのが、先月から第二・第四土曜日も開館になり、その代わりに開館した上曜の次の月曜日は休館になりました。前は周来には全く利用できなかったので、便利になったという人もいるでしょうが、次の月曜が休館なので、結局開館日が増えたわけではありません。また、
平日は人も少なく落ち着いて勉強できたのが、土曜は朝から利用者が多く、席がとれないこともあります。私の勝手な希望かもしれませんが、もう一度開館日を考えなおしていただけませんか。それが無理でも、せめて利用者が増えた分、席を増やそなどしていただければと思います。

利用者: B
 新刊図書や雑誌がたくさん置いてあるので、時々この図書館を利用しています。前は、平日しか開いていなかったので、会社から帰宅するころには既に閉館していて利用したくてもなかなか難しい状況でしたが、先月から週末にも利用できるようになり、週末の楽しみが一つ増えました。現在、週末は隔週の開館ですが、毎週開館するようになればもっとありがたいのですが。もう一つ、平日の開館時間は以前の通り9時から6時までなのに、土曜日はどうして9時から3時までなのでしょうか。土曜日に開館したら次の月曜は休館されるのですから、週末も6時まで開けていただければもっと利用しやすくなると思います。ご検討ください。

(67) この図書館の開館日数・開館時間はどう変わったか。

(68)利用者Aと利用者Bは開館日の変更についてどう思っているか

長文
 最近の新聞記事によると、今の日本は労働力が足りないそうである。あちこちで人手(注1)が足りないといって、アジアのほかの国に労働力を求めるようになった。
 しかし、①ふしぎなことに、同じ新聞には、日本の失業率が5%になったとか、仕事や住むところがなくて生活に困っている人がいるといった記事もある。外国人労働者に来てもらちわなければならないはほど労働力が不足しているというのに、どうしてそういうところにこれらの日本人が就職しないのか。私にはちょっと納得がいかない。
 とくにおかしいと思うのが若い失業者たちである。というのも、彼らの多くが「自分らしい仕事」が見つからないから失業中、という決まったせりふを言うからだ。仕事はたくさんある。でも、どれを見ても「自分らしく」なさそうで魅力がないからやめた。だから、何もせずただ日々を過ごしているというわけだ。
 実際、このあいだもテレビを見ていたら「六本木あたりの外資系(注2)の仕事」につくのが「自分らしい」のだと答える青年がいたのにびっくりした。冗談じゃない。たしかに東京・六本木の超高層ビルのおしゃれなオフィスは、かっこいい舞台に見える。しかし、そんな職場や仕事につけないから「自分らしく」ない、だから何もしないでぼんやりしている、とめいう発想がどこから出てくるのだろう。
 そもそも、私にはこの[自分らちしい]ということの意味がよくわからない。どうやら、テレビやマンガがを通じて出来上がった、理想の職業、収入、ライフスタイルなどのイメージが「自分らしい」ということらしい。それ以外の生き方は「自分らしく」ないのである。大都会のエリートになることが「自分らしい」、地味な職業につくのは「自分らしく」ない、というのは非現実的である。はっきりいって、わがままである。
 もしも「自分らしき」というものがあるなら、それは与えられた仕事をまじめにして、自分の生活を作ったときに自然と生まれてくるものなのである。「六本木の外資系」などというイメージより、現実の世界で自立(注3)すること。そこで生活の意味を見つけたときに、はじめて本当の「自分らしき」がみえてくるのではないだろうか。

(吉黄和修「外国人に「狂いてもらう」不思鍵」『正葵】2009年8月6日圭け産経ニュースによる)


(注1)人手:仕事をする人
(注2)外資系:外国均本の会社
(注3)自立:他人の助けや力を借りないで、自分の力で生活すること。

(69)①ふしぎなことにとあるが、何を指しているか。

(70)支中の著者たちが考える「自分らしき」に近いものはどれか。

(71)筆者がこの文章で言いたいことは、どんなことか

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第10回「外国人による日本語スピーチコンテスト」出場者募集


世界から見た日本、外国人の見方・考え方などについて、広く市民の皆さんに理解してもらい、相互理解・交流を深めるため、「第10回外国人による日本語スピーチコンテスト」を開催します。今年は、学校や職場などの地域社会の中で感じ、考え、発見した「自国と日本の文化や習慣などの違い」をテーマに、コンテストを行います。日本語でのスピーチに挑戦したい方は、以下の要綱を確認して応募してください、
【時間】  11月3日(土)13:00~こ16:00
【会場】  ふじやま市教育文化全館
【応資格】 ◎年齢18歳以上(高校生可)
       ◎ふじやま市内在住、または、ふじやま市に通勤・通学している外国人
       ◎日本滞在期間が5年以内の方
      *上の条件が1つでもあてはまらない人は応募できません。
【スピーチ時間】 ◎7分以内(2000字程度)
【テーマ】 ◎「わたしの国から見た日本」「わたしの国と日本の位い」等
    *自国についての内容のみのスピーチは受け付けません。必ず、自国と日本につ
いて発表してください。
【各賞】 最優秀賞:1名(賞金5万円)
      優勝賞:2名(賞金3万円)
      特別賞:若干名(賞金1万円)
      参加賞:出場者全員(記念品)
【応悲方法】◎1次審査:発表内容を原稿用紙2枚(800字)以内に要約して、表紙にタイトル、住所、氏名、年齢、国籍、職業(学校名・学年)、電話番号を明起し、下記の応募先へ郵送、またはEメールで送ってください。
       ◎2次審査:応募者の中から、20名の方を選び、本人のスピーナの録画を送っていただきます。2分程度の録画をDVDまたはテープで郵送してください。
      選考結果は、10月10日までに、応募者全員に通知します。
【応募締切】 1次審査:9月1日 2次審査:10月1H
【問い合わせ・応募先】
      〒1234567ふじやま市日本国際連合協会本部事務局
      TEL012-345.6789 Eメール t1234@pref.xx.jp

ふじやま市の「日本語スピーチコンテスト」の募集広告である。
。(72)このスピーチコンテストに出られるのは、次のうちどれか。

(73)1決審査に通った者は、どうすればいいか