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 災害にもろいとは、災害が起こったとき、大きな被害が発生し、その影響が長く続くという意味で使います。なぜ災害にもろくなるのか、その理由を考えてみましょう。まず、災害は大きなものほどそれほど頻繁に(注)起こらないことが挙げられます。災害に強いまちづくりや家づくりをしなければならないのに、ついつい災害を忘れてしまうからです。
 たとえば、住宅を新築したとしましょう。わが国では、建てたが最後、家の手入れを積極的にやらないのが一般的です。台風で屋根瓦が飛んだり、大雨で浸水して壁土が落ちたりすれば修理します。つまり、雨漏りがしなかったり、目で見て被害がわからなければ、家は補修しないのです。ですから、わが国では住宅は古くなればなるほど不動産価格は急激に下がります。そして、それと同時に災害にもろくなるのです。

(河田惠昭『これからの防災づ咸災がわかる本』岩波書店による)


(注)頻繁に:よく

1。 (1) 筆者は、住宅に関する日本人の傾向について、どう考えているか。