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 知名度の高い執筆者ばかり適当に揃えて一冊の雑誌をつくる編集は、たとえて言えば、インス夕ント食品(注1)をうまく使って食卓を賑わす料理人みたいなものだ。失敗の危険は少ないかもしれないが、創る喜びは少ない。
 そこへゆくと、まだ固いつぼみ(注2)を見つけ出して、これにあたたかい春の風を送り、花に育てる編集の仕事はそれ自体がひとつの芸術である。そういうことの可能なエディ夕一はそれほど多くいるとは考えられないが、すぐれた才能の開花のかげにはきわめてしばしばこういう創造的編集が存在するのではあるまいか。

(外山滋比古『新エディターシップ』みすず書房)


(注1)インスタント食品:ほとんど手間をかけずに簡単に食べられる食品
(注2)つぼみ:花がまだ咲かないで閉じている状態

1。 (練5)この文章で筆者が最も言いたいことは何か。