子供たちはよく「お父さんよりお母さんのほうがこわい」と言いますね。「お母さんは叱る人」というイメージが一般的になっているんじやないでしょうか。父親が外に出て働いている場合、どうしても母親のほうが子供と接する時間が長くなります。だから、母親に叱る役割がまわってきやすいのです。それに、父親はあまり子供と一緒にいられないので、「子供に嫌われたくない」という気持ちが強くなります。それで、あまり叱ろうとしないのです。いつも叱ってばかりでは、母親は子育てが嫌になってしまいます。
 ある専門家は、母親は「包む」役割、つまり優しく子供を受け入れる役目を持つのに対して、父親は「切る」役割、つまり厳しくルールを教える役割を持つべきだと言っています。父親が厳しく叱った後に、母親が子供をフォローしてあげるようにすると、親子の関係はよくなるそうです。子供を叱る必要があるときには、父親がその役割を引き受けてこそ子育てはうまくいくのです。
 たしかに今は昔と違って、父親と母親の役割は固定的ではなくなってきました。現在、家庭における男女の役割分担は境界がなくなりつつあります。しかし、子育てに関してはこうした意見に耳を傾けたほうがいいのではないでしようか。

1。 (例3) この文章で筆者が最も言いたいことは何か。