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ある行動を何度も繰り返せば、それが自動化され、あまりそのことに思考を向けないようになっていくことが多いが、いつもそなるとは限らない。例えば、人との雑談の中で、自分の考え筆者が言いたいことは何か。を率直に述べるということをいつもやていれば、確かにそのことは自動化され、自分の考えを述べようと特に意識しないでも、気楽に自分の考えを話すような習慣でる。(中略)
しかし、もし、率直に自分の考えを述べたときに、周囲の人から非難されたり、拒否されたりするということが繰り返されると多くの場合、率直に話す自分にマイナスになるという考えが起こって、率直に話すという行動に自分でブレーキをかけるようにる。何回もブレーキをかけていると、ブレーキをかけること自体が自動化して、自分では行動の結果を取り立てて予期することしに、なんとなく、率直に発言することが少なくなり、おとなしく なるといった変化が起こってくる。このような現象を行動抑制の自動化という。
「行動の抑制の場合も、それが自動化すればするほど、思考の果たす役割は少なくなるのだが、思考の仕方や内容によって抑制度合いは変わってくる。例えば、自分の述べようとする意見について、何回もくりかえし考えていると、だんだん抑制が弱まっきて、気楽に発言できるようになることもあり、逆に、考えれば考えるほど、発言後の嫌な予想と結びつき、抑制が強まったりする。このように、行動の抑制に対しても、暗示とまではいかないが、 思考が影響を及ぼすのである。