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 筆者がレコード会社の宣伝担当者から聞いた言葉に「流行っていると思わせれば、本当に流行る」というのがある。こうした宣伝の場面において音楽産業が力を注ぐのは「事実」ではなく「買い手にそう思わせること」、つまり「認識の形成」である。こうした手法を音楽産業は「夢を売る」とよく呼ぶ。つまり音楽産業は買い手がほしがる「ファンタジー(注1)」を先んじて(注2)キャッチし、商品化し、売ることに長けている(注3)
(注1) ファンタジー:幻想
(注2) 先んじて:ここでは、誰よりも早く
(注3) 長けている:優れている

1。 (48)「夢を売る」とはどういうことか。