(1)
嫌いな子どもが多いピーマンは、β-カロテン(注1)を含んでいる。しかし、プロッコリーやほうれん草でも摂れる栄養素であることから、①「嫌いなピーマンを無理に食べさせる必要はない」と考える人もいる。確かにプロッコリーやほうれん草を食べられるなら、ピーマンにこだわる必要は栄養学的にはほとんどないであろう。
それでも、幼児期はいろいろな生活環境に心や体を適応させる(注2)意味で重要な時期であることから、多様な食材を食べる経験を積む必要があると考える。そこで、切り方や味つけを工夫し、「ひと口でもいいから食べてみよう」と励まし(注3)、ほんの少しでも食べたら「すごいね!」と褒め、子ども自身がさまざまな食材を受容できる(注4)環境をつくることが大切である。
嫌いな食材を食べられたという達成感は、褒められることでさらに強められ、自信が生まれる。その自信がやる気につながり、物事に前向きに(注5)取り組めるようになるであろう。例えば人間関係について考えてみると、世の中には自分と気の合わない人もいるが、「嫌いだからつきあわない」と切り捨てるわけにはいかず、ある程度つきあっていかなければならない場面も多い。相手を好きになれなくても「こんな考え方があってもいい」とその人の個性を受け入れることで、円滑な(注6)人間関係を築くことができる。
(注1)β-カロテン:栄養素の一つ
(注2)適応させる:ここでは、合わせる
(注3)励ます:やる気にさせる
(注4)受容できる:受け入れることのできる
(注5)前向きに:ここでは、自分から進んで
(注6)円滑な:ここでは、良い