(3)
 ヒトと機械は違っているからこそ、補完(注1)し合えるのだという考え方がある。同じであっては意味が無いとさえ言い切る人もいる。同じものが二つあっても量的な能力が倍増(注2)するだけであって、質的な変化は起こりえない。初期のコンピュータが結構役に立ったのは人間と全く違った単純作業ができたからである。人間だと繰り返しの作業の中でどうしても思い込みが起こる。コンピュータが得意なのは常に一定の判断である。それであるがゆえに(注3)人間の単純なミスを指摘できるのである。
(注1)補完する:不十分な部分を補う
(注2)倍増する:二倍に増える
(注3)それであるがゆえに:だから

1。 (55)筆者によると、コンピュータがヒトと違う点は何か。