短文
(1)
 「ルール」はなぜあるのでしょうか?
 スポーツを理解するために最初に確認しておきますが、「スポーツは人間が楽しむためのもの」です。これが出発点です。決して「世の中に無ければならないモノ」でもなければ、生きるためにどうしても「必要なモノ」でもありませんが、楽しむためのモノであり、その「スポーツで楽しむ」ために「ルール」があるのです。
 そして、ルールのもとで勝敗を競いますが、このことが楽しくないのであれば、スポーツをする価値はありません。

(高峰修『スポーツ教養入門』 による)

(55) 筆者の考えに合うのはどれか。

短文
(2)
以下は、ある会社の社内文書である。

平成28年1月 12日


社員各位

総務課長


暖房使用についてのお願い


 本格的な冬を迎え、暖房の使用が増加しており、12月の電気代は前月に比べて約30%増となりました。節電のため、室内温度は22度以下に設定するとともに、使用していない場所の暖房を切ること、退社時の切り忘れをなくすことなどを徹底してください。
 また、服装で調整するなど各自で工夫し、暖房に頼りすぎないようご協力をお願いいたします。

(56) この文書を書いた、一番の目的は何か。

短文
(3)
 実は「やりたいことをやる」ためには、シンプルに間近の目標を達成していくだけで十分だと思います。「いつか大きな仕事を成し遂げたい(注)」と思っていても、実際にそれがどんなものかはわかりようがないし、本当に自分が望んでいるものが何なのかもわかりません。
 それより「目の前のやりたいこと」を見つけ、それに集中できるようなプログラムを組んでいけば、自然に「自分のやっていること」が「自分の望んでいること」 に近づいていく可能性が高いような気がします。

(欄原英資『舞原式スピード思考力』による)


(注)成し遂げる:達成する

(57) 筆者の考えに合うのはどれか。

短文
以下は、コーヒー豆の販売会社から届いたはがきである。
189.6715

東京都橋谷市南3-15-8-302
マリア・スミス様
ーーーーーーー割引フェアのご案内一一一一一一



 いつも「野田コーヒー」をご愛飲くださいまして、ありがとうございます。
 コーヒー豆を定期購入されているお客様に、お得な割引フェアについてご案内いたします。
 当社ではこの冬、新商品「冬の味わい」を発売します。定期購入をされているお客様には、この商品を15%割引の特別価格でご提供いたします。購入を希望される方は、10月中にご予約ください。
 なお、すでにご案内しておりますとおり、定期購入をされているお客様は、その他の全商品がいつでも10%割引でお求めいただけます。あわせてご利用ください。
 商品の詳細・ご注文方法につきましては、裏面をご覧ください。

(58)このはがきで紹介されている割引サービスについて正しいものはどれか。

短文
(5)
どういう日が「いい一日」であるかは人によって異なるだろうが、日記を書き続けることで、自分にとっての「いい一日」というものの構成要件(注)がわかってくる。どうすれば「いい一日」になるかがわかってくるということだ。そうなれば「いい一日」がたまたま訪れるのをただ待つのではなく、「今日」が「いい一日」になるように、「今日はいい一日だった」と日記に書けるように、主体的に行動するようになるだろう。

(大久保孝治『日常生活の探究一ライフスタイルの社会学」による)


(注)構成要件:構成するのに必要な条件

(59) 筆者によると、日記を書き続けるとどうなるか。

中文
 日本ではよく、「若者はもっと個性を発揮すべきだ」とか、「個性を磨くべきだ」などと言われます。けれど私は、そういう言葉にはあまり意味がないと思っています。また、日本では「個性」という言葉が主に人の外観に関して使われることにも、私は違和感(注1)を持っています。たとえば、「個性的なファッション、個性的なへアスタイル」は、「人がアッと驚くような奇抜(注2)なスタイル」であることが多いでしょう。
(中略)
 このように考えると、「個性=人より目立つこと」と、多くの人が錯覚(注3)しているのではないかと思います。
 でも、根本的なことを言ってしまえば、この世に生まれた人間は一人残らず全員、それぞれの個性を持っています。だから、誰かに「磨きなさい」と命令されて、義務のように磨く必要などないのです。
 あなたが生まれ持った個性は、明らかにあなただけのものです。世界中に、あなたと同じ個性を持つ人など誰一人としていないのですから、「他の人はどうかな?」とキョロキョロすることは不必要だし、他人の真似をする必要もありません。真似しようとしても真似できないのが、個性というものなのです。
 あなた自身が「楽しい、面白い、不思議だ、ワクワクする、ドキドキする」と感じ、心から求めているものを優先すれば、それでいいのです。「磨く」とか「発揮する」などと意識しなくても、自分が本当に好きなもの、興味があることに気持ちが向かっていけば、自分の世界がどんどん広がっていく。それが①本当の意味で「個性を磨く」ということです。

(今北純一『自分力を高める』による)


(注1)違和感:ここでは、なにか違うという感じ
(注2)奇抜な:珍しくて目立っている
(注3)錯覚する:勘違いする

(60) 日本人が使う「個性」という言葉について、筆者はどのように述べているか。

(61) 個性について、筆者の考えに合うものはどれか。

(62) 筆者によると、本当の意味で「個性を磨く」とはどのようなことか。

中文
(2)
 「話し言葉」の最も重要な特徴は、声を使うところにあるのではなく、聞き手が目の前にいるというところにあります。話し手と聞き手は、親しい関係の場合もあれば、初対面の人、行きずり(注1)の人の場合もありますが、少なくとも両者は、そこがどんな場所で、どんな状況であるかについて、一定の共通認識(注2)を持っています。 同時に、相手がどういう人であるかについても、ある程度はわかります。
(中略)
 ところが「書き言葉」になると、たとえ親しい相手への手紙でも、あちこちで説明が必要になります。自分しか読まないはずの覚え書きでも、時間がたつと書かれた状況がわからなくなりますから、「あとで読み返すかもしれない自分」への最低限の配慮(注3)はしておかなくてはなりません。説明するというのは、「自分には言葉にしなくてもわかっていること」を、わざわざ言葉にする作業ですから、とてもやっかいです。でも、そこがきちんとできていないと、誤解が生じて取り返しのつかない(注4)結果になることもありえます。
 面とむかって(注5)の話なら、相手が気を悪くすれば急いで謝ることもできますが、手紙だと、怒らせたことに気づかないまま関係が切れる恐れすらあるのです。
 ですから、「書き言葉」においては、文字の読み書きという知識に加えて、自分が書いたものを読む相手がどんな情報を必要としているかを推測する(注6)力、そして、その情報を、どんな言い方、どんな順序で提供すれば、わかってもらいやすく、誤解が生じにくいかを考える力が、いかに(注7)大きな意味を持つかが分かっていただけると思います。

(脇明子『読むカが未来欄よら ダグ一筐主生への読書支援』 による)


(注1)行きずりの人:たまたま出会った人
(注2)認識:理解
(注3)配慮:気配り
(注4)取り返しのつかない:もとに戻せば大変な
(注5)面とむかって:対面して
(注6)推測する: ここでは、想像する
(注7)いかに:どんなに

(63) 筆者によると、「話し言葉」の重要な特徴とは何か。

(64) 誤解が生じてとあるが、どのような時に誤解が生じるのか。

(65) 「書き言葉」について、筆者の考えに合うのはどれか。

中文
(3)
 従来(注1)、旅行業にとって顧客(注2)を喜ばせることは難しくなかった。 自分の行ったことがないところに行きたい、見たことがないものを見たい、食べたことのないものを食べたいというのが主なニーズであったし、長い休みの存在自体が旅行の動機になり得たからだ。だから参加者の多くは、そこに行って、
そこそこ(注3)の観光ができれば、十分に満足した。
 旅行会社は、価格を抑えるために人々を大量に効率良く(注4)送客すればよかった。北海道や沖縄、グアムやハワイ、アジアのリゾート地...場所の魅力を繰り返し伝えて刺激し続ければそれでよかった。しかし、そうして多くの人がさまざまな場所に出掛けるようになると、今度はただ行くだけでは満足しなくなる。目的が必要になる。行ってどうするのか、何ができるのかという目的が重要になる。
(中略)
 この流れは現在も続いており、旅の動機づけとしては重要な視点となっている。ただ、残念ながらそういうことをマス(注5)としてとらえることが、価値観の多様化のなかで難しくなってきている。個々の目的を一つに束ねてマスの企画にすることが難しいのだ。ブームが発生しづらくなっている状況と原因は同じであろう。

(近藤康生『なぜ、入は旅出るのか』による)


(注1) 従来:これまで
(注2) 顧客:客
(注3)そこそこの:まあまあの
(注4) 効率良く:ここでは、経費や時間をかけずに
(注5) マス:集団

(66) 筆者によると、これまでの旅はどのようなものだったか。

(67) 筆者によると、客は旅で何を重視するようになってきたか。

(68) 筆者によると、旅行会社が難しいと感じている点は何か。

統合理解
A
 公立の図書館では、利用者へのサービス向上のために、人気の高い本を複数冊置くことが増えている。本が複数冊あれば、同時に多くの利用者に貸し出せて、予約待ちの期間も短くできる。
 このような図書館の姿勢に対して、予算は限られているのだから買える本の種類が少なくなってしまうのではないかと心配する声もある。しかし、借りたい本がなかなか借りられない図書館では利用者は満足しないだろう。公立の図書館は、多くの人々に読書のきっかけを与え、本を読む楽しさや喜びを感じてもらうようにする役割を持っている。図書館に同じ本を複数冊置くことは、その役割を果たすためのーつの方法だといえる。

B
 最近公立の図書館では、人気の高い本を複数購入しているそうだ。有名な作家の小説などが対象らしい。流行の本を早く読みたいという利用者の希望に応えようとする図書館の気持ちは理解できる。しかし、どうしても早く読みたければ自分で買えばいいのだから、図書館がそのために多くの予算を使う必要はない。
 税金で運営されている公立図書館の存在意義は学問的に価値のある本や手に入りにくい本など、さまざまな種類の本を一冊でも多くそろえていることだ。書店にない本でも図書館に行けば読めるというのが本来の姿だろう。同じ本を多く買うことによってその役割が果たせなくなったら、利用者に対するサービスの低下につながるといえる。

(69) 公立図書館が人気のある本を複数冊置くことについて、AとBはどのように述べているか。

(70) 公立図書館の役割について、AとBはどのように述べているか。

長文
 以下は、あるデザイナーの書いた文章である。私のアイディアのもとは、自分の生きてきた道の中にすべて詰まっているのだ、というふうに思っています。いままで生きてきた中で、感動したことを現代に持ち帰ってくる。過去の中で感動したことをコピーして、それをデザインしているのです。アイディアはいつも人から、時代からもらう。自分で考え出すことは少ないのです。私は、感動したときのシーンはよく覚えています。色も匂いも形も光も季節も、そのときの景色も、そのときその場に誰がいたかも、何を食べたかも、思い出の中に鮮明に刻み込まれています。感動すると、それくらい記憶装置が自動的に働いて、すべてを映し込んでいるのです。
 (中略)
 中学の頃のこと、高校のあのとき、社会人になったときのこと、妻と旅をしたときの情景などいろいろなシーンが思い出されて、それを遡って切り取りにいくわけです。けれどもそれが、もやーっとした(注1)ものだと切り取れない。なぜ、もやーっとするかと言えば、心の底から感動していないからです。しっかり感動していないと、持ち帰れないのです。
 感動は、自分の力だけでなく、親のカだったり、友だちのカだったり、ほかの人の力によってもつくられています。子供のときから、大事に育てられたとか、自分を包んでくれる街がきちっと大人たちによって美しく保たれていたとか、そういう周囲のカでつくられている場合もあるわけです。そうした感動の思い出を大切に持ち帰ってきて、いまあるものとコラボレーションする(注2)と、新商品が生まれます。そういう意味では、まるっきりの(注3) 新商品なんてあり得ません。アイディアはいつも、そんな過去の「感動の森」の中から探し出してくるものなのです。
 いい思い出がたくさんあるかどうか、いい人に会ったかどうか、美味しいものを食べたかどうか。そういうヒト・コト・モノとのよき思い出の引き出しをどれだけ持っているかによって、アイディアの湧き出る(注4)量は変わるのです。

(水生人ちあと 秀信 やってみよう一私の仕事哲学』による)


(注1)もやーっとした:はっきりしない
(注2)ラボレーションする:ここでは、組み合わせる
(注3)まるっきりの:全くの
(往4)湧き出る:ここでは、生まれてくる

(71)感動したことを現代に持ち帰ってくるとは、どのようなことか。

(72) 感動について、筆者の考えに合うのはどれか。

(73) アイディアについて、筆者はどのように考えているか。

情報検索

(74)ユンさんは、来週ミハマホテルのビュッフェに行きたいと考えている。金曜か土曜の12時から17時の間で、2時間いられるものがいい。ユンさんの希望に合うビュッフェはどれか。

(75)エンリケさんは、今度の土曜日に妻と一緒にレストラン「ベルン」の夕食ビュッフェに行き、「窓際特別テーブル」を利用したい。エンリケさんは63歳、妻は66歳である。エンリケさんたちの料金はどのようになるか。