短文
(1)
以下は、ある大学のホームページに掲載されたお知らせである。
橋山大学> 在学生へのお知らせ

2016.6.20


学生生活に関するアンケートについて


 すでにお知らせしているとおり、現在、以下の専用ウェブページで学生生活に関するアンケートを実施しています。

学生生活アンケート
http://www.hashiyama-u.ac.jp/20160601.html


 6月24日を締め切りとして回答をお願いしていますが、現在のところあまり多くの回答が得られていません。そこで、一人でも多くの皆さんの回答を得るため、回答期間を6月30日まで延長します。未回答の皆さんはぜひ積極的に回答してください。
 結果は、7月中旬に専用ウェブページ上で公開します。
 ご協力よろしくお願いします。

学生課

(55)アンケートについて、このお知らせで最も伝えたいことは何か。

短文
(2)
真の(注1)プロと呼ばれる人たちは、他者評価ではなく、自己評価の中に生きています。彼らは、周りの人がいくら認めても自分で認められなければ自信を持ちません。逆に他人が認めなくても、自分が正しいと思えることに自信を持っています。
他者評価に一喜一憂して(注2)いる状態では、本当の意味で自信を獲得したとは言えないでしょう。

(注1) 真の:本物の
(注2) 一喜一憂する:喜んだり心配したりする

(56)真のプロについて、筆者はどのように述べているか。

短文
(3)
以下は、あるインターネットショップに届いたメールである

 あて先:toiawase@pwq.co.jp
 件名:商品についての問い合わせ
 日時:2016年4月11日 9:30

 PWQ 文具 インターネットショップご担当者様
 貴店で蛍光ペン3色セット(TR-3)を、100個購入したいと思っております。
 商品のページには、東京への配送は店に商品があれば3日、取り寄せなら10日程度かかると書かれています。4月20日までに東京の本社に届けていただきたいのですが、今から注文しても間に合うでしょうか。追加送料がかかっても構いません。間に合わないようでしたら、他の商品に変更するか検討いたします。
 ご返信いただきたくよろしくお願いいたします。
 

SKZ 株式会社 総務部
市川友恵
tomoe_ichikawa@skz.co.jp


(57)このメールで問い合わせていることは何か。

短文
(4)
犬を家庭犬として受け入れた場合、飼い主の一家の最も上位の人がスーパー上位になって他の家族が順位に従い、犬の 順位が下になるように順位を明確にして安住させます(注)。この関係が安定しないと、犬は順位争いをしたり、家族に攻撃 をしたりするようになって、家族と犬との関係がうまくいかなくなります。したがって、飼い主は常に犬より上位である ことを犬に意識させて飼うことが必要で、犬も納得して互いに楽しく暮らせます。

(田名部雄一『人と犬のきずな一遺伝子からそのルーツを探る』による)


(注)安住する:ここでは、穏やかに過ごす

(58)筆者によると、家族と犬がよい関係を保つにはどうすればよいか。

短文
(5)
 手紙というものは、不思議な伝達手段である。
 書いている人間の気持ちは必ずといっていいほど文面に出る。心配もしていないのに、心配を押し売りする(注1)ような手紙を書いてはいけない。
 そのような気持ちは封(注2)を開いた瞬間に、真っ先に相手に届いてしまう。それが手紙の一番に恐ろしいところと言えよう。
 愛している気持ちは届くかもしれないが、同時にその幼稚さや、愛の浅さや、性格の悪さまでも相手に届いてしまう。
 手紙というものは、人間の心を映す鏡のような存在でもある。

(辻仁成『代筆屋』による)


(注1) 心配を押し売りする:ここでは、心配していると思わせる
(注2)封:ここでは、封筒

(59)筆者は手紙をどのようなものだと考えているか。

中文
(1)
 以下は、絵本の選び方について述べた文章である。
 たいへん有効な一つの方法は、絵本を見るとき、子どもと同じやり方、つまり、字は読まず、絵だけで物語を追ってい くというやり方で、絵本を見ていくことです。わたしも、新しい本を手にしたときは、かならずこのやり方で見ることに していますが、そうすると、いろんなことが、とてもよくわかってきます。
 字にたよらず絵だけ見ることは、わたしたちの心を、必然的に(注1)、単純で具体的な考え方のレベルにとどめて(注2)くれますし、当然のことながら、絵の中に意味をさぐろうとする心の働きを強めてくれます。そうして見ていくと、絵そ れ自体が何かを語りかけてくれる場合と、文を読んでからでなければ何の意味ももたない、いわば装飾的な(注3)働きし かしていない場合とが、実にはっきりしてきます。絵が何かを語りかけてくれないものは、ほんとうの意味では絵本とは いえないので、こうして見ていくと、体裁(注4)に絵本でも、①絵本とは呼べないものが少なくないことがわかってきま す。(中略)
 また絵だけを丹念に(注5)見ていると、絵のもつ雰囲気も調子も、文と合わせ見るときより、よくわかる気がします。そ して、それをつかんだあとで文を読むと、絵と文の関係がしっくりいって(注6)いるかどうかが、はっきりわかります。登 場人物の服装とか、背景(注7)とかの具体的な事実が、文と絵で違っていることがいけないのはもちろんですが、絵全体 の調子やムードが、物語のそれと合わないのは、絵本としては、②大きな欠点です。

(松岡享子・東京子ども図書館『えほんのせかい こどものせかい』による)


(注1) 必然的に:ここでは、必ず
(注2) ~にとどめる:~のままにする
(注3) 装飾的な:飾りのような
(注4) 体裁:形式
(注5)丹念に:細かく注意しながら
(注6) しっくりいく:よく合う
(注7) 背景:ここでは、後ろの景色

(60)筆者によると、字を読まないで絵だけで絵本を見るとどうなるか。

(61)①絵本とは呼べないものとはどのようなものか。

(62)②大きな欠点とは何か。

中文
(2)
 長い間水の中にいると手足の指にたくさん「しわ」ができる。このしわを見たことがない人はいないだろう。私はこれまで、このしわは単に皮膚が水分を吸収し膨らんでできたもので、何の役割もないと思っていた。ところで、①そうではないという記事を読んだ。滑り止めの役割を果たしているというのだ。
 この記事は、ある論文の実験結果をもとに書かれていた。②実験は次のように行われた。ひとつの容器に小さなガラス 玉を入れ、それを指でつんで別の容器に移し替えるのにかかる時間を計る。ガラス玉が入っている容器には、水入りのものと水なしのものが準備された。また、手はしわがある状態とない状態で、それぞれのかかる時間が計測された。しわは、ぬるま湯に手を浸すことで発生させた。結果は次のようなものである。
 まず水の有無について見てみると、水入りの容器から移し替えるより、水なしの容器から移し替えるほうが速い。次に水入り、水なしの各条件において、しわの有無の違いによる結果を見てみると、水なしの場合、しわがあってもなくても 大した差はない。しかし、水入りの場合、しわがあるほうが速い。以上の結果から、実験者は、しわは水中などぬれた環境で物をつかみやすくするためにできるようになった可能性があると述べているそうだ。
 しかし、どうなのだろうか。滑り止めのためであれば、水に入れたらすぐにしわができないとおかしいのではないだろうか。しわの役割を知るためには、新たな実験を待たなければならない。

(63)①そうではないとあるが、どういうことか。

(64)②実験で最も時間がかかったのはどの場合か。

(65)筆者は記事を読んでどのように考えているか。

中文
(3)
 以下は、企業の経営について書かれた文章である。
 いろんな規則や罰則(注1)を作って、社員をがんじがらめにして(注2)ひたすら働かせるというタイプの経営者も、まあ 今時は少ないとは思うが、まだいることはいる。①そういうやり方が間違っていると思うのは、たとえそれで社員の労働 力を物理的に 100パーセント引き出すことができたとしても、そのかわり精神面での労動力を捨てることになるからだ。
 精神面での労働力というのは、たとえば創意工夫する(注3)能力だ。強制的に(注4)仕事をさせるやり方では、人の創意 工夫の能力を引き出すことはできないのだ。人間の心は、自由なときにその本来の能力を発揮する。楽しんで、興味を持って何かをしているとき、人はいろんなアイデアを思いつく。(中略)
 そして、どんな仕事であろうとも、人間のする仕事には、この創意工夫の才能が重要な役割を果たす。一日中、ひたす らネジを締める仕事であっても、だ。どうすれば不良品を減らせるか、どうすれば作業効率(注5)を上げられるか。たとえばQC活動(Quality Control:品質管理のこと)を通して、作業する人が自分たちで②そういうことを積極的に考えるようになるシステムを創り上げたからこそ、日本の製造業は世界一になれたのだ。
 そしてそういう能力を引き出すためには、従業員にとって、そこで働くことが本当の意味で自分のためになるという環 境を作ることが欠かせない。
本人の幸せと会社の業績(注6)が一致すれば、愛社精神なんてものは自然に育つ。強制なんかしなくても、従業員はプ ライドを持って心から会社のために働こうと思う。

(島田紳助『ご飯を大盛りにするオバチャンの店は必ず繁盛する一絶対に失敗しないビジネス経営哲学』による)


(注1) 罰則:違反したときに従わなければならない規則
(注2) がんじがらめにする:ここでは、縛る
(注3) 創意工夫する:新しいアイデアを考え出す
(注4) 強制的に:無理やり
(注5) 作業効率:ここでは、作業を進める速度
(注6)業績:仕事の成果

(66)①そういうやり方が間違っていると思うのはなぜか。

(67)②そういうこととは何か。

(68)筆者によると、経営者が社員の能力を引き出すために必要なことは何か。

統合理解
A
 皆さんはどのように服を選んでいますか。ファッション雑誌などを参考に、はやっているものを買うという方も多いの ではないかと思います。でも、そうして選んだ服は本当に自分に似合っていますか。
 自分の性格や年齢、体型、つまり自分自身の個性に合った服、それが「似合う服」です。世の中に自分と全く同じ人間 はいないのですから、似合う服も人それぞれです。それなのに、ファッション雑誌のまねばかりをしていると、自分らし さと服との間にギャップが生まれてしまいます。自分自身をしっかり見つめること、そして自分に合った服を選ぶことが 大切です。

B
 スーツを着ると気持ちが引き締まった(注)り、明るい色の服を着ると心がうきうきしたりという経験をしたことはない だろうか。私は、服は着る人の気持ちに影響を与えると考えている。大げさだと思われるかもしれないが、服によって人生さえも変わると思っている。服が気持ちに影響を与え、気持ちが行動に影響を与えるからだ。
 しかし、周囲に聞いてみると、はやっているからという理由だけで服を選んでいる人も多いようだ。私は、これはとて も残念なことだと思う。みんな、もっと積極的に服の力を利用したほうがいい。服を買うときには、まずどんな自分になりたいのかをイメージして、そのイメージに合った服を選ぶのだ。なりたい自分になることを、服が応援してくれるはずだ。
(注)引き締まる:しっかりする

(69)はやっているという理由で服を選ぶことについて、AとBはどのように考えているか。

(70)服の選び方について、AとBはどのように述べているか。

長文
 幸福は人生の目標である。それだけに一体どういうものが「幸福」なのか知るのは、それを追及する前提として深刻な 課題であると思う。あるとき、若い人が、私に向かって「幸福というのはあるのか」と深刻そうな顔をして聞いたことがある。
 彼は人間の欲望(注1)というのは無限に続くものであるから、幸福感まではなかなか到達しないのではないかというの だ。なるほどそういえるかもしれない。人間が進歩する動物であるならばなおさらのことだ(注2)
 でも、私は幸福は存在すると思っている。趣味に例をとっても、ある人は野球することをあげ、他の人達は読書や映画、 音楽とそれぞれに主張する。登山や魚釣りという人もいるだろう。このように趣味は人によってさまざまだが、同様に幸 福についても人によっては考え方がまちまちだ(注3)と思う。
 「幸福とはどのようなもの?」と聞かれたら「裕福(注4)になること」と答える人もいるのだろう。また、「社会的な地 位に到達する」のを幸福だと考えているかもしれない。逆にそのような裕福とか社会的地位を否定して、「心の豊かな人」 になることが幸福だと思っている人もいると思う。思想や感情、さらには生活様式さえ異なる人間のことだ。幸福につい ての考え方に、差があってもいいのではないか。ただ同じく裕福を主張しても、多くの人の幸福を願って慈善事業に協力 する人もいれば、一方には「がめつい奴」の看板を背負って生きてるような人(注5)もいる。他人になんといわれようと、 その人はそれで結構幸福なのだ。人間は自分のために生きるのだから、他人に迷惑さえかけなければこれでもいいのである。
 しかし、私はスタートの段階ではそれでもいいが、いつまでもそのままの考えから進歩しないのでは困ると思う。私自身としては、別な生き方をとる。
 幸福というものについて、これだといい切れる考えはまだ私も持っていないが、私は「会社での仕事も楽しく、家庭で の生活も楽しい、つまり一日二十四時間を楽しく過ごすこと」が幸福だと思っている。言葉はすこぶる(注6)平凡だが、この内容は非凡だと自負して(注7)いる。それと、自分の幸福な状態が「他人の目にも楽しく、心も楽しませる」ものでありたいとも私は思う。

(本田宗一郎『得手に帆あげて』による)


(注1) 欲望:欲しいと強い望む気持ち
(注2) なおさらのことだ:ここでは、ますますそうだといえる
(注3)まちまちだ:それぞれ違っている
(注4) 裕福:金持ち
(注5)「がめつい奴」の看板を背負って生きてるような人:けちで欲張りな人
(注6) すこぶる:非常に
(注7) 自負する:自分自身に自信や誇りを持つ

(71)若い人が「幸福というのはあるのか」と聞いたのはなぜか。

(72)筆者はスタートの段階ではどうすればいいと述べているか。

(73)筆者の目指している幸福とはどのようなものか。

情報検索

(74) ジェゴさんは東京の大学の3年生である。2017年4月から寮に入居したいと思い、自分の希望をメモにまとめたが、ジエゴさんの希望に合う寮はどれか。

(75)ベップさんは2017年4月から日本に留学し、東京の大学に入学予定である。ベップさんは2017年の3月に来日する予定だ。ベップさんに可能な応募方法はどれか。