漢字読み

1。 子どもが投げたビーチボールが波間に漂っていた。

2。 温泉に足を浸すだけでも疲れが取れる。

3。 しばらく肺炎を患っていた友だちが、元気に社会復帰した。

4。 地主が首を縦に振らず、道路の拡張工事が進まない。

5。 友人から拝借した書籍が今もって本棚にある。

6。 早朝からカラスが鳴いて不吉な予感がしたが、一日何事もなかった。

言い換え類義

7。 この町には(  )人が多く住んでいて、立派な家が並んでいる。

8。 ギャンブルで(  )を手にしたりすると、人生は失敗しやすい。

9。 工場での実績が評価され、研究室へ(  )となった。

10。 目を光らせる警備員がいないと、観光地もゴミだらけでこの(  )だ。

11。 プロ野球(  )では、新人選手の獲得などが細かく決められている。

12。 現金を持ち歩くと危険ゆえ、支払いは(  )切手でする。

13。 携帯小説は大衆(  )されたが、今後書き手は増えるだろうか。

文脈規定

14。 近ごろ、彼は将棋の腕をめきめき上げている。

15。 町の伝航芸能に若い後継者が育ち、見事に復活した。

16。 突然の上司の来訪だったが、妻がうまくもてなしてもてなしてくれた。

17。 子どもの心がゆがむことのないよう、親子の対話を続けている。

18。 今度の企画は地球にやさしいという観点で進めていく。

19。 主催者は式典の来場者数を水増ししている

実践練習

20。 ユニーク

21。 さらす

22。 めっきり

23。 返上

24。 ぽかんと

25。 巻き添え

文法形式の判断

26。 政党を飛び出してでも主張を曲げないことは、いいことではある(  )。


27。 変動相場制(へんどうそうばせい)は、貿易や投資(  )資金の流れで相場が動く。


28。 日本の農業人口は減り続け、2000年(  )4.5パーセントになった。


29。 明治(めいじ)時代、文明開化のため(  )、何でも欧米をまねする風潮があった。


30。 安部公房(あべこうぼう)の『砂の女』は、世界の言語に翻訳される(  )名者だ。


31。 文楽(ぶんらく)の世界に弟子入りしてから10年、ようやく独り立ち(  )。


32。 千利休(せんのりきゅう)の存在(  )、茶道は芸術として成立しなかった。


33。 (電話で)
A「トマト商事の那須と申しますが、山下部長いらっしゃいますか。」
B「申し訳ありません。山下はただ今(  )。」


34。 水俣病(みなまたびょう)の実情(  )政策を、ひとりの映画監督が訴え続けた。


35。 (家で)
A「せっかく行列に並んだのに、私の前で売り切れ。(  )。」
B「だから、やめろって言ったんだ。」


文の組み立て

36。 コンピューターがチェスの _ _  _ となった。


37。 宇宙開発の推進が _ _  _ ならない。


38。 地球温暖化 _ _  _ が起きている。


39。 日本の農業は _ _  _ 先が見えない。


40。 防犯カメラを _ _  _ 意味がない。


文章の文法
 大人に便利なように作られた製品のため、子どもが傷を負い、ときには命を脅かされる。だというのに、大人社会はあまりに無策ではないか。
 ライター遊びが原因とみられる火事で、幼い犠牲者が続く。車のパワーウインドーに指や首を挟まれ、大事に至った例も各地で報告されている。高熱の器具に手をのばす棚の薬を誤って飲む・・・・。同じような事故が毎年繰り返されている。
 ライター( 41 )、経済産業省けいざいさんぎょうしょう作業部会さぎょうぶかいが、子どものでは簡単に点火できない構造にするよう、安全基準を設ける議論を進めている。消費者庁しょうひしゃちょうは、家庭で使わなくなったライターを回収する検討を始めた。都内で過去10年、12歳以下によるライター遊びで起きた火災は511件にも上る。動きは遅すぎるくらいだ。
 米国は1994年、ライターの構造規制に踏み切った。4年後に死傷者が半減したとのデータもある。
 車のパワーウインドーでは、何かが挟まれば自動的に止まる装置が開発されているだが、全座席に装備された車種は多くない。義務づけを検討してはどうか。
 子どもから目を( 42‐a )、危ない物は( 42‐b )。周囲の大人が注意しなければならないのは、言うまでもない。落ち度が大きければ、保護者の責任を問う必要はあるだろう。
 でもそれだけで、子どもの事故は防げるのか。家庭や地域の見守る力が落ちる一方生活空間に潜む危険は減っていない。子どもは昔も今も日々成長し、予測外の行動をとるものだ。
 様々な事故の情報を集め、原因を分析し、リスクの重大性を評価する。製品改良を促し、必要なら規制措置をとり、子どもを取り巻く環境から危険を減らす。そんな機動的な仕組みが求められている( 43 )。
 横浜市よこはましでこどもクリニックを開業する山中龍宏やまなかたつひろさんは、けがややけどで運ばれてくる子どもを診る( 44 )、同じ思いを募らせてきた。
 5年前、工学研究者らと協力し「事故サーベイランスプロジェクト」を立ち上げた。自身や国立成育医療研究センター(東京)が扱った症例を基に、予防策を研究。メーカーへの指摘は、高温の蒸気を出さない炊飯器の開発に結びついた。公園の遊具で転落事故が起きた自治体では、地面にゴムマットを敷いたり、階段に手すりをつけたりといった対策を実現させている。
 1歳以上の子どもの死亡原因で最も多いのは「不慮の事故」だ。その予防は、消費者庁などを核に、政府を挙げて取り組むべき課題だろう。
 防げるはずの事故を前に無為で( 45 )、子どもの権利を侵すこと。そう山中さんは訴える。私たち大人すべてが肝に銘じたい。

(「朝日新聞」2010年4月20日付)

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