日本にも社員の幸福を追求する会社がある。間違えないでほしい。会社の利益でも株主の利益でもない。「社員の幸福」を追求するのである。
 その会社は、内部留保をゼロにして、つまり、会社の利益は社員に分配して、会社にお金を残さないようにするため、冬のボーナスが400 一 500万円にも及ぶというから驚きだ。 普通の会社なら社員の年収に当たる額である。当然、銀特からの借り入れもゼロということになるが、それでは、新しい店舗を出すというときにはどうするかという と、社員から出資を募るのだという。みんな高いボーナスで余裕があるし、銀行に預けるよりは利率が高いので、すぐに何千万円いうお金が集まるのだそうだ。
 また、社内ではネットワークを通じて徹底的な情報会開が行わんていて、会社の経営状況を始め、社長も含め社員全員の給料もすべて社員に公開されている。それだけではない、一人一人の出資額や会社への貢献度など人事評価まで公開されている。社内で発生した問題もネットに載せるとだれかがすぐに解決策を提示してくれるし、新しい企画についても、ネットに公開して3日間だれからも異議がなければ、即決定となるため、この会社には、課長や部長などの中間管理職が存在しない。いちいち稟議書を書いて上司の判子をもらう必要もないのだ。このシステムを作った初代の社長は、「情報公開することで独裁者を作らなければ会社は長続きます。 公開できないというのは、公開すると大変な開題になるからできないだけだ」と言ってのける。何もやましいことがなければできるはずだ、と。
 社員の幸福を追求すれば、こんな理想のシステムを作ることも可能なのである。

1。 「問1」この会社は、どうして内部留保ゼロにできると言っているか。

2。 「問2」この会社に中間管理職が存在しないのはなぜか。

3。 「問3」ここでは、この会社が徹底的な情報会開をするのはなぜだと言っているか。