2005年の「世界人口白書]によると、現在、世界の人口は約65億人で、2050年には90億人を超えると予測している。そのうち半分近くの約30億人は25歳未満で、今日の若者世代は史上最大規模となっている。しかし、その15~24歳の若者12億人のうち5億人以上が、1日2ドル以下で生活しており、貧困状態におかれ雇用の見込みもないと言う。家族の生活を支えるため、また手娠や結婚のために、十分な教育を受けないまま学業を断念せざるを得ない若者数多くいる。大勢の青少年がこのような状態でもあることが、①いつまでも続く社会不安の原因となっているのだ。
そこで、白書が強調しているのは、②男性からの協力である。もちろん、直接差別を受け被害を受けている女性への投資と教育が必要であることは青うまでもない。今でも、男性の2倍近くの女性が読み書きができず、最貧困地域では、学校に通っていない女子が多く、男子との格差は中等教育の段階になるとさらに拡大する。これが実態である。しかし、男性の存在なくして、女性の妊娠・出産もありえないように、この世から女性への差別をなくすためには、男性の協力なくしては実現不可能なのである。女性への差別は、現実の社会を支えをている男性中心の考え方が生み出しているからにほかならない。
毎年、出産前の性の選別、乳児殺し、青児放棄によって、アジアを中心に、少なくとも6000万人の女児が「消失」している。日本の人口の半分が毎年消えていることの責任を世の男性は自党するべきであろう。