日本の伝統的なサラリーマン文化はもはや過去のものとなってしまったのだろうか。仕事が終わった後で同僚といっしょにビールや酒を飲むことは、日本のサラリーマンの日課の一部だった。かつて、課長からの誘いは、部下にとってはある意味絶対的なもので、断れるものではなかった。しかし、今の若い世代は、それよりも社外の友人たちと過ごす方を選ぶ。上司の誘いを簡単に断って、平気でいられる。予定を変えることは考えもしないのだ。
ある大手証券会社の部長(49)は、「私の部署の若者は、私と飲みに出かけることを残業だと考えているようだ」と嘆く。また、年に一度の社員旅行を行う会社も減ってきていると言う。
「自分の週末をどうして上司や同僚と温泉で過ごさなければならないの ? 」と語るのはある貿易会社の女性社員 (28)。「それで、私たちの部署は、伝統的なサラリーマン文化をやめるように決めたんです。」と。
情報通信の発達した現代社会では、ソーシャル・ネットワークを利用して簡単に友だちの輪を広げることができる。個人を中心に、世界と関係を結ぶことも可能になっている。会社の内部だけの閉じられただ人間関係に縛られるのは、可能性を放棄するようをものだろう。家族、友人、学校、会社の基本的な関係以外にも多様な人間関係を結ぶようになった現代人は、同時に、あふれる情報をただ受け取るばかりではなく、ブログなどによって自分から情報を発信する側にもなっている。一日の時間が限られている以上、当然、時間は有効に使わなければと考えるのはしかたのないことなのだろう。