「マシュマロテスト」 という実験がある。 4歳の子どもを一人ずつ部屋に呼んで、マシュマロを 1 個与え、「ちょっと用事があるから出かけるけど、そのマシュマロを食べないで待っていてくれたら、もう 1 個あげる。すぐに食べてもいいけど、それを食べちゃったら、もうマシュマロはもらえないからね」と言って部屋を出る。そして、15分後に戻るまで、子どもの様子を観察するのである。 実験はこれだけだが、子どもたちのその後の成長を追跡調査するのである。 ・
すると、14年後の子どもたちには大きな変化が現れていた。 4歳のときに、目の前のマシュマロを食べずに我慢して、15分待つことができた子どもは、一般に、周囲への適応力に優れ、困難に対処する能力においても、また、試験の成績においても優れた高校生に成長した。ところが、我慢できずに 1 個目のマシュマロを食べてしまった子どもは傷つきやすく、がんこな性格になる傾向が強かった。 彼らは、ストレスに耐えることができず、困難な問題から逃げようとする傾向が見られた。また、試験の成績も明らかに劣っていたのである。
 この実験からわかることは、幼児のころの性格が、その後の成長に大きく関係しているということだ。つまり、頭がいいか悪いかといった知能の測定よりも、こういったいわば感情の能力を見極めることの方が、その後の成長を正確に予測できるということなのである。

1。 「間 1」 この実験の説明として正しいものはどれか。

2。 「問2」 ここでいう感情の能力とは、どういうことか。

3。 「問3」 筆者は「マシュマロテスト」 からどういうことがわかると言っているか。