経済協力開発機構(OECD)によると、GDP(国内総生産)に占める学校などの教育機関への公的支出割合が、日本は28か国の中で下から2番目の3.3%だったそうだ。1位はアイスランドで7.2%、2位はデンマークの6.7%だ。もちろん日本は GDPが4兆円以上もあるので、総額から見るとそれほど少ないわけではない。しかし、教育支出に占める家庭の支出の割合が21.8%と高く22か国の中で2番目だった。教育を家庭に頼っているのだ。これでは貧しい家庭の子供が十分な教育を受けられない可能性が出てくる。日本の将来が危ない。
日本人が教育を大切にしてきた例として有名な 「米百俵」という話がある。あるとき、米の収穫が減って苦しんでいた長岡藩(注)にお見舞いとしてお米が百俵 (約 6トン)届けられた。藩の武士やその家族は米が配られるのを今か今かと待っていた。ところが小林虎三郎この米を売って藩の学校を建てようと提案した。おなかが空いてたまらない武士たちは初めは大反対であった。しかし小林は 「食べられないからこそ教育しなければならない。百俵の米は数日食べ終わってしまう。この米を売って学校を建てることこそが長岡藩が生きていくただひとつの道だ。」と言って説得した。こうして1870年学校が生まれた。そこから多くの優秀な人物が育った。そうして長岡藩は豊かに発展していた。
日本は明治時代(1868~1912 年)に欧米の先進国に追いつこうと、技術者を招いてその技術を学んで。彼らの知識はすぐに全国に広まり、日本の産業は急速に発達したそうだ。多くの日本人がいわゆる 「読み書きそろばん]、つまり読むこと、書くこと、計算することができたからだ言われている。もし文字が読めなかったら、簡単なことでも文を読んで学ぶことはできない。人がそこに行って一つ一つせつめいしなければならない。これでは知識広まるのにかなりの時間が必要になる。
現在、国が教育を軽視しているとは言わないが、国の予算を見る限り重要視されているとも言えない。日本の将来は子供たちの肩にかかっている。その子供たちの教育費が少なくては国が滅びると言いたい。また、大学院を卒業している修士や博士が就職誰だと言われている。彼らの能力が生かせる場を作ることも待ったなしだ。大学院の進学率が下がることは、技術が国を支えている日本としては問題である。教育はすぐには利益として現れないけれど、長い目で見ると計り知れない効果をもたらす。いまこそ教育に重きを置いた国策を採るべきときである。
(注)長岡藩長岡ながおか:新潟県にいがたけんの地名ちめい
藩:昔の県の呼よび方