安眠のためには、脳が満足して「おなかがすいている」 という信号を消す程度に少しだけ食べるのが覧い方法です。簡単にいえば、自分で①自分の脳を上手にごまかす(注1)わけです。
 では、どんな食べ物が、少しの量でも脳に満腹だと思わせる効果があるのでしょうか。脳が信号として「栄養が十分とれた| とキャッチするのは、プブドウ入です。プドウ精は、脳のエネルギー源となる基本的な糖です。つまり、吸収が早く、消化がよい、すぐブドウ繕に変わって、少ない量でも効率よく脳に信号として伝わるものを食べれば、胃に負担もなく、了眼りもさまたげず、脳はほどほどに(注2)満足して、気分的には「おなかが満たされた」 状態で眠りにつけることになります。
 プドウ炒に変わりやすい食べ物とは、ズバリ(注3)「甘いもの」 です。ビスケットを少しかじったり、キャンディをなめるのもいいでしょう。 ヨーロッパのホテルなどでは、枕元に敬いチョコレートを履く習慣がありますが、チョコレートに含まれるカフェインには覚醒作用 (注4)があるので、寝る前に食べるものとしては少し考えものです。
( 井上昌次郎 『上手な快眠術』 実業日本社 )
(注 1) ごまかす : だます
(注 2) ほどほどに : ちょうどよい程度に
(注 3) ズバパリ : はっきり言うと
(注4) 覚醒作用 : 寝ている人の目をさます働き

問1 ①自分の脳を上手にごまかす の説明として適当なものはどれか。


問2 筆者が言っていることと合うものはどれか。


(1)
 人間は成長するに従い、何度も皮をないて新しくなる。
 この脱皮(だっぴ)をさせてくれる助けはいろいろあるが、本はその大きなキッカケの一つである。あなたがある本とめぐり合って、その中にある一つのコトバが、何か心にかかりながら、そのときは過ぎてしまう。何年かたってふと思い出し、「そうか、そういうことだったのか、ほんとだ、あの著者のいいたかったのは、こういうことなんだな」とわかる、そのとき、あなたは一つの脱皮をなしとげる。①そういうことが何度もいろんな本でおこなわれると、その蓄積は次第に厚く深くなってゆくだろう。人生経験を積み重ね、それを裏打ちして自分にプラスしてゆくには、どうしても読書が必要になる。
 とにかく言和をたくさん知ることが望ましい。私たちはコトバを使って考えを組立てる。②積本の数は、なるべくたくさんでなければならない。さまざまな形のものも欲しい。本を読むことで、それらはいくつもできる気がする。口下手(注1)でコトバをすぐ唇にのぼせられない(若いときはそういうことが多い)人も、あたまの中にコトバがひしめいている(注2)。 それでよいのだ。

(田辺型子「読むことからの出発」 講読社現代新章による)


(注1) 口下手 : 話すことが苦手なこと
(注2) ひしめいている : すき間なく詰まっている

(60) ①そういうこととは、何か。


(61) この文章で、②積本とは、何のことか。


(62) 筆者がこの文章で一番言いたいことは、どんなことか。


(1)
 そこは、ぼくが東京に来て初めて入った食べ物屋さんだった。受験のために上京したぼくは、そば屋に入るのさえこわがっていたのだ。そして、すきっ腹をかかえて、やっととび込んだこの店で、恐る恐る壁に書かれた品目を見上げ、一番安いものを注文したのだ。あれから11年が過ぎていた。得た物も多い。だがその間に失くしたものも大きかった。
 「えっ? こんなとこに入るの?いやよ、あたし]
 硝子戸に手をかけたぼくに、連れの女は露骨に(注1)不快表情を向けてそういった。その女との結婚を考えをていたぼくは、急に心が冷めたように感じた。
ぼくはかまわずに戸を引いた。そのとき、ぼくの脳裏(注2)に高校生の娘の顔が浮かんだ。注文を受けた彼女は、数分後に申し訳なさそうな目をして、作られだ料理をぼくの前に置いたものだった。それを見て、ぼくは②全身に冷や汗をかいた。玉ねぎの薄切りが出ていたからだ。オニオンスライス。何かの飯だとぼくは思っていたのだ。
 「いらっしゃいませ」
 暖かい目をしたふくよかな(注3)女性が11年ぶりにぼくを迎えてくれた。

(高橋三千綱「心の風景] i中品り小説」 新潮文庫による)


(注1) 露骨に : 実際にあったとおり、少しもかくさないで
(注2) 脳裏 : 頭の中
(注3) ふくよかな : 少しふとっている

(60) ①ぼくはかまわずに戸を引いたとあるが、何にかまわなかったのか。


(61) ②全身に冷や汗をかいたのはなぜか。


(62) ③女性とは、だれのことか。


 日本に来たのに着物を着ている人にほとんど会わないと言って、がっかりした外国人がいる。日本人がほとんど着物を着なくなって50年以上になるだろう。今はお茶や踊りなどの人や日本料理屋や旅館意外ではめったに着物を着ている人に会わない。
一般の人が着物を着るのは結婚式、葬式、お正月、成人式、七五三、卒業式などである。子どもが着物を着るのは七五三である。七五三というのは 3 さいと 7 さいの女の子 5 さいの男の子のお祝いである。11 月の 15 日ごろになると、町のあちこちでおおぜいの着物を着た子どもたちを見ることができる。3 月になると卒業式のために着物を着た女子大生たちが目立つ。1 月のお正月や成人式の時期には女の人ばかりではなく、着物を着た男の人がかなりいる。
このほか、夏によく見られるのは着物の仲間である。こちらは簡単に着られるし、着物よりずっと値段が安い。外国人もよくお土産に買っている。浴衣は夏祭りや花火大会などに出かける若い人たちがよく着ている。また、ほとんどの旅館にはパジャマの代わりに浴衣が用意されているので着てみるのもいい。浴衣を着て日本料理を食べたらいい経験になるだろう。

(1)着物についての説明で、本文と合っているのはどれか。


(2)浴衣の説明で正しいのはどれか。


(3)着物の人をおおぜい見たい外国人にどう助言したらいいか。


 仮にあなたが知りあいから、エチオピアで飢餓に苦しむ難民救済のための募金に協力してくれと頼まれたとしよう。はじめから断ってしまえば、多少のうしろめたさは残るもののそれで一応、①事態は収まる。しかし、もし協力を表明したとすると、あなたは、募金箱に百円入れても、千円入れても、一万円入れても「なぜもっと出せないのか」と言われるかもしれないという、「つらい」立場に立たされることになる。
 (中略)先進国が今ある繁栄を獲得した要因となった種々の経済活動は、地球という、人類全体が共有すべき有限の資源を消費した結果であるという視点もありうる。そう考えるなら、南北の経済格差や南の国の飢餓の宿題は、その共有資源を消費した代償として得られた経済活動の果実の偏在に起因するものであり、単に、ある特定の地域の問題ではありえないという議論が妥当性を持つことになる、資源の消費に関しては最大の「貢献国」のひとつである日本の国民としては、自分だけ高い生活水準をエンジョイしつつ、世界に蔓延する飢餓は自分の問題ではないとは言いきれない。
ボランティアが経験するこのような「つらさ」は、結局、自分ですすんでとった行動の結果として分自身が苦しい立場に立たされるという、一種のパラドックスに根ざすものである。

(金子郁容「ボランティアもうひとつの情懶社会」岩波書店による)



(1)①事態は収まるとは、具体的にはどういうことか。


(2)筆者の考えによると、南北の経済格差や飢餓の問題を引き起こした要因は何か。


(3)②ボランティアが経験するこのような「つらさ」とは、どのようなものか。


 60年ほど前、児童心理学者シャーロット・ビューラーは、子どもが自分にできるようになった力を用いることに喜びを見出し、その力によって様々なことを発見し、育つことの重要性を指摘しました。彼女はこれを「機能の喜び」と名づけていますが、自分の力(機能)を使うこと自体が子どもにとって喜びであり、それによって学び、育つという、人間の発達の本質をいい得て妙(注)だと思います。
 代は、この「機能の喜び」がとかく無視されているのではないでしょうか。親は「良育」にせっかちなあまり、子どもが熱中していることに我慢できないようです。遠回りにも時間の無駄にもみえるのでしょう。そのため、自分の考える①「よかれ」の計画路線に子どもを歩ませようとします。(中略)
 「機能の喜び」を味わう機会の減少は、自分が学ぶ力をもっていることについて知る体験を子どもから奪うことでもあります。同時に、子どもの自己効力感を育てる機会を奪っています。日本の子どもたちは、ある程度の能力をもっていても自信をもてない傾向が強いのですが。自力達成の機会の少なさも一因でしょ、親の過剰な教育熱がかえって、子どもが自ら育つことを疎外してしまっているのです。その意味でも、②子どもの発達権」の保障は急務です。
(注)いい得て妙:実にうまく言い表している

(1)①「よかれ」の計画路線とはどういう意味か。


(2)筆者は、現代の親にはどのような特徴があると述べているか。


(3)ここで言う②子どもの発達権」の保障とはどういうことか。


(1)
 あなたは毎日、どんな気持ちで仕事に取り組んでいますか。
 上司から「これやって」といわれると、なんでもきちんとこなす指示待ち族。しかし、自分から探すことはないし、ましてや先のことなどを考えていない。毎日が大過なく終われればいいと思っている人。
 「早く給料日が来ないかな」など、プライベートなことで頭の中がいっぱいの人。そういう人は中高年でもあろうと、若かろうと、リストラの対象にされかねません。
 ①職種にもよりますが、今日した仕事があすの結果となって現れることは少ない。営業でいえば、今月の売り上げは過去三カ月くらいの自分の働きの結果です。
 結果は三ヶ月先、半年先に現れる。ここに意外な落とし穴があります。今日一日サボっても、明日明後日に影響しない。ツケが回ってくるのは数カ月先です。「どこかで追いつけばいいや」と、ついつい気が弛んでしまうのです。
 (中略)
 人間が実際に手を触れることのできるのは、過去でも未来でなもく、現在だけです。
 今日といと日は自分の未来を決定する重要な一日なのです。そういう気持ちで、少なくとも数カ月を見て仕事を進めくだてさい。
 ②それを三ヵ月続けることでがきたら、あなたの評価は劇的に変わり、運命も劇的に好転するでしょう。人生はそんなに難しくない。よいことをちょっと継続すれば、数ヵ月先にはちゃんとそのご褒美がもえらるのです。

(重茂達『「35歳まで必ずやべきること』による)

(60)①職種にもよりますがとあるが、その説明について正しいものはどれか。


(61)②それは何を指しているか。


(62)本文の内容と合っているものはどれか。


(2)
 立派な業績を上げた成功者は、何事も恐ろしいくらい徹底的に取り組んでいます。「私のやり方は、とたえばドイツ語を学ぶとしたら、三ヶ月でマスターするか、一や生らないかどっちかなのだ。やるとなったら徹底てしやる!」
 これはモルガン財閥の創始者、J・P・モルガンの言葉です。
 物事を成就させるのは、必ずしも能力や資質ではありません。徹底して取り組む姿勢です。( ① )。
 我々の舞台は会社ですから、努力も継続性が求められます。続けなければ意味がなくなります。続けることによって、繰り返しの効果が期待できるからです。
 ーヶ月すごく努力をして、あとパッはとやめてしまうようでは、せっかくの努力も実りません。努力というのは成果が出て初めて報いられのるです。せめて成果が出てくるまでは続けなければなりません。
 努力には継続ということが不可欠です。何でもいいから、ずっと続けていく。人によっては、それは「きっと辛いだろう」といいますが、人は習慣の動物で、慣れれば傍で見るほど辛いものではありません。そうやって努力を継続していると、思いがけない幸運がやってきます。
 うまくいかない人は、せっかくの努力が中途半端か、あるはい②「努力のための努力」になっているのではないでしょうか。
 上司が見ているからやろう、後で言い訳をするために努力だけはしておこう。そんな気持ちで形だけ努力しても、よい結果が生まれるはずがありません。

(重茂達『35歳まで必ずるやべきこと』による)

(63)( ① )に入れる言葉として、正しいのはどれか。


(64)②「努力のための努力」とあるが、その内容に合うものはどれか。


(65)文章の内容と合っているものはどれか。


(3)
 能力を高めるには、能力以上のものに挑戦しけれなばなりません。筋肉を超えるのと一緒で、楽なトレーングニをやってもダメなのです。ちょっときつめの運動をする必要があります。人生も同じ、ある時期に熱く燃えると、それが基礎体力となって、後々によい影響をもたらすのです。
 実力があり、チャンスも与えられているのに、①今ひとパッつとしない人がいます。( ② )実力はちょっと劣るけれども、わき目もふらずによい成績をげ上る人がいます。
 この差がどこから来るとかいえば、仕事に対する熱意の差なのです。熱意を持っていれば、自ずと創意工夫が生まれ、実力以上ことのが可能になってきます。いくら実力があっても、熱意が不足していると、実力の劣る人に負けてしまいます。
 お手本となる人を見つけて真似をするよう勧めましたが、身近にそういう人がいない場合もあるでしょう。そういうときは「目標を作る」ことです。
 仕事上の目標ではありません。人生の目標です。確固たる目標があると人生が溌溂とします(注)。望みを達成しようと努力をすることは、人生最大の楽しみだからです。
 「遊んでいたほうが楽しいな」「趣味のほうがいいな」などと思っている人は、まだ人生の楽しみを知らないのです。
 ギリシャ時代の哲学者タレスに青年が質問しました。
 「師よ、人生で一番楽しいことはなんですか?」
 「目標を作って、それへ向かって努力することだ」

(重茂達『35歳まで必ずやるべきこと』による)


(注) 溌溂とします:生き生きとします

(66)①今ひとパッつとしない人がいますとあるが、その説明として、正しいのはどれか。


(67)( ② )に入れるものとして、正しいのはどれか。


(68)筆者が一番言いたいことはどれか。


(1)
 最近の若い人たちの中には、注意されてムッすると人がいます。人に叱られたり注意されたりした経験が乏しいからでしょう。
 近ごろは学校の先生もあまり叱りません。学校教育や家庭教育はこのへんに問題がありそうです。注意されることに免疫ができていないから、すぐにキレしてまい、校内暴力が起きたりする。
 会社では、上司や先輩がいろいろな形で注意や忠告をします。①部下はどういう態度で聞くべきでしょうか
 素直に耳を傾けて「よく言ってくれた」と感謝する。これが正解だと私は思います。注意され反省すことるによって、自分が一つ進歩するきっかけが得られるからです。
 私はもともと、人から注意されることを少しも嫌だとは思わない性質で、自分の気づかないマイナスを指摘してもらえたのだから、むしろ「良かったな」と思ってきました。運が良いの、②この性格によるところも大きいような気しがます
 人は生まれついたときから物事を知っているわけではありません。人の言うことや勉強したこと、経験などを糧にしながら成長していくのもです。ですから注意や忠告されたら、自分が成長する機会を与えられたと思わなくてはいけません。

(重茂達『35歳までに必ずやるきこでと』による)

(60)①部下はどういう態度で聞くべきでしょうかとあるが、その答えとして正しいものはどれか。


(61)②この性格によるところも大きいような気しがますとあるが、その説明について、正しいのはどれか。


(62)文章の内容と合っているものはどれか。


(2)
 謝罪そのものはそれほど難しいものではない。「ごめんなさい」と、うつむき加減で、神妙な顔で言えばいい。それなのになぜか「謝罪」が話題にみることが多くなった。企業や政治家の不祥事が多発し、謝罪でミスを犯すと命取りになる例が増えいてるからだろう。ワシントンと桜の木という有名なエピソードがある。父親の大切にしていた桜の木を子どもだったワシントンが切ってしまった。怒る父親に対し、わしたがやりましたとワシントンは正直に告白した。お前の正直さが千本の桜より価値がある、と父親はワシントンをとがめずに逆にほめた。
 このエピソードは真実ではないという説もあるようだが、①謝罪について考える好例だと思う。重要なのは、ワシントンは謝罪はしていないということだ。ワシントンは「わたしが木を切りました」と、正直に告白しただけで、ごめんなさいと謝ったわけではない。人身事故ようのに、相手を傷つけた場合、また雑踏事故のように相手の足を踏んだりした場合など、ことの経緯がはきりっしている場合が例外で、すぐにまず謝るべきだが、ビジネスの上でのトラブルが発生した場合、または何らかの疑いが生じたときは、この経緯と自分がどう関与したかを明らかにするのが先決だ。②単に謝ればいいわけではない
 そもそも何が起こったのか、自分はどう関与したのか、責任は誰にあるのか、損害を把握しているのか、どのような対応をたしのか、事態は解決に向かっているての、いつ解決するのか、再発防止のためにどのような対策を取るのか、損害賠償について具体的にどう考えているのか、今回のトラブルに対し誰がどういう責任をとるのか、そういったことをできるだけ速やかに明らかにすることが、( ③ )。

(村上龍『無趣味のすすめ』による)

(63)①謝罪について考える好例だと思うとあるが、なぜ「好例」だと言っているのか、その説明として、文章の内容に合っているものはどれか。


(64)②単に謝ればいいわけではないとあるが、その説明として、正しいのはどれか。


(65)( ③ )に入れる言葉として、正しいはのどれか。


(3)
 「他人に迷惑をけかない限り人は自由に自分の欲望を満たしてよい」いうとのは、近代自由主義社会の原則である。個人主義の浸透した都市社会では、社会で生きていくための倫理的な指針としては、この原則だけが唯一リアリティーのあるものとして感じられるようになっている。
 だが、この原則は、社会的なルール感覚や人と人との間を結ぶ絆を培うための必要最低限の条件にすぎず、①決してそれらを充実した豊かなものにさせることにとって十分な条件ではない
 どういうことか、もう少し詳しく説し明よう。
 まず、ある人の行為なり意志表示なりが、その近くにいる他者に何らかの好ましからざる影響を与えた場合、②それが「迷惑」という範疇に入る事柄であるかどうか、検討する必要がある。たとえば少年が万引きする。これを補導する警察宜は、公共の秩序を守る職務に則って少年に対処するだけであるから、警察官自身の心がそれによって大きく傷つくということはほとんどありえない。( ③ )、少年の母親は、少年との情緒的な絆を大切にしているから大いに悲しむであろう。
 また、積極的な言動でなくても「何もしないこと、ただそこにいること」が身近な他者に心理的な悪影響を及ぼすこともありうる。たとえば、大学生の息子が、学校にもいかずに午後まで寝ていているような場合、親は大変イライラする。
 このようなことになるのは、身近の他者同士は、暗黙の信頼や了解や期待があり、それらが裏切られる時に、相手はメンタルな動揺を被る。さて、これは「迷惑」と呼ぶことが適切であろうか。(小浜介郎『「迷惑をかける」とはどういうことか』により改)

(66)①決してそれらを充実した豊かなものにさせることにとって十分な条件ではないとあるが、なぜそういうのか。


(67)②それが「迷惑」という範疇に入る事柄であるかどうか、検討する必要があるとあるが、なぜか。


(68)( ③ )の中に入れる言葉として、正しのいはどれか。


(1)
 会社というのは何のために存在するのか。それはやはり、目的や目標、夢があるからである。「こういうことをやり遂げたい」「こういうふうになっていきたい」。そんな思いが原点なとり、組織が生まれ、会社が生まれるのである。この目標や夢を常に熱い思いを持って社員に伝えていく。それが、①経営者や上司と呼ばれる人間の役割である
 日常の仕事一つひとにつは、それぞれ峠あるが。毎日の売り上げ目標というような、具体的な目標がそれに当たるだろう。高い峠もあるし、比較的のぼりやすいものもあるだろうが、( ② )、この峠を越えなければ先へは進めない。
 そして、この峠を指し示すのは上司の役目なのだ。「今度はこの仕事をやり遂げよう」「少し高いが、頑張ってあの峠を越えようじゃないか」と部下に指示を出すわけだ。
 しかし、これは単なる目の前の目標であって、大きな目標を示したことにはならないのである。なぜならば、一つの峠を越えても、そこにはまた次の峠が待ち構えているからだ。いったい、いくつの峠を越えればいいのだろうか。最後にはどこに辿り着のくだろう。部下がこうした質問を持つのは当然のことである。上司であるならば、この部下の質問に答えなければならない。

(江口克彦『上司の哲学』よるに)

(60)①経営者や上司と呼ばれる人間の役割であるとあるが、その「役割」について、説明が正しいのはどれか。


(61)( ② )に入れるものとして正しいのはどれか。


(62)文章の内容と合っているものはどれか。


(2)
 話しかけるタイミングの悪い人が増えた。彼らは呼吸が上手くつかめないのである。
 私はこれはネット社会の影響だろうと考えている。
 電子メールは便利である。メールのおかげで、ビジネス関連の時間、特に伝達事項にかける時間がずいぶん短縮された。こちらは、時間の余裕あるの時にメールを書けばよい。相手も、時間の余裕のある時に読めばよい。自分の都合、相手の都合、双方に利益があるのである。
 ①これを繰り返しているぶんには、相手の都合を考えくなてもいいのである。自分の都合のいい時に「伝達」が済んでしまう。ということは、相手の様子を読むトレーニングを積まなくなる。相手の呼吸に合わせるという感覚がなくなっていくのである。
 電話は、こちらか、相手か、どちらか忙しくても伝達を簡略化させくたなるものだ。②だが、それをぐっと堪えて相手を察する。相手の真意を扱もうとする。それが相手の呼吸を掴むトレーニングになる。
 だから、電話がいいとはいわない。私も電子メールは便利だと思う。もう、これがなくては、ビジネスは前に進まない。しかし、単純に便利な社会になったとも思えないのである。タイミングという概念は「自分中心」の人には必要ない。アルバイトの面接などをしていると、「これほど自分中心の人が増えたのか」と暗澹たる気持ちになることがある。

(竹内一郎『人は見た目が9割』による)

(63)①これを繰り返しているぶんにはとあるが、「これ」は何を指すのか。


(64)②だが、それをぐっと堪えて相手を察するとあるが、その意味しとて、正しいのはどれか。


(65)筆者が一番言いたいことはどれか。


(3)
 ある日の夕方のことです。地下鉄の階段を上って外へ出ました。ちょうど退社時刻とあって大勢人のが駅へと押し寄せてきます。その情景を見て①私は愕然としました。肩を落とし、暗い表情をたし人があまりに多いのです。
 その中に自分の知っている人がいたらどうでしょうか。「あ、誰々さんだ」と気がついたとして、その表情がいつもとは打って変わって暗いものだったとしたら、声をかけるのもはばかれるのではないでしょうか。その人に対するイメージまで一変するかもしれません。
 私は考えました。
 「これはいけないな。どこで見られているかわからないのだから、外にいるときは明るく、楽しい雰囲気を漂わせるように努めけれなば」。
 楽しい雰囲気を出すには微笑みを浮かべるのが一番です。楽しそうにしていると人が寄ってきます。すると仕事も良いほうへ回りやすくなる。更に運が向いてきます。
 電話をけるかときも同じです。笑顔を浮かべて話すと声が柔らかくなり、先方によい印象を与える。どうせ見えやしないから仏頂面でいると、声で伝わってしまう。
 私の会社では、以前の②「スマイルミラー」というものを作っていました。社員の名前入りの鏡で、これを各自の電話機のそばに置いておきます。電話が鳴ったらマイスルミラーに向かってちょっと微笑んでから出る。マイスルミラーのおかげで、外部人のにずいぶん良い印象を持ってもらたえようです。外部のたとめいうより、自分のめたなのです。

(重茂達『35歳まで必ずやるべきこと』による)

(66)①私は愕然としましたとあるが、なぜか。


(67)②「スマイルミラー」とあるが、その内容と合っているものはどれか。


(68)文章の内容と合っているものはどれか。


(1)
 人間にはそれぞれに、持って生まれた能力や特性がある。それぞれの能力というものに優劣があるわけでは決してない。音楽の能力や絵を描く能力のどちらが優れているかというのは言えないし、比較をすること自体おかしいことだ。
 同じように仕事の中においても、営業能力と管理能力を比較することは、おかしい。比較できない能力に、ましてや他人から見て差をつけるなどということは、やるべきではないと私は思う。
 確かに同じ仕事をしているのに、実績などに差が出てくることは、よくあることだ。要領が良くて飲み込みの早い人間もいるだろう。少々要領が悪く動きの遅い人間もいるのだろう。そのときだけを比較すれば、①“できる人間"と“できない人間"がいることが確かだ。しかし、それは、あくまで一時的なことに過ぎない。
 たとえば、若い頃は速く走る能力があっても、歳を取ればその能力はなくなってしまう。逆に歳を取ることで、物事をじっくり考える能力が身についてくることもある。つまり、能力というのは、その時々によって常に動いているものだと考えべきるなのである。
 ( ② )、上司が部下を評価する時に、その時点の能力けだで単純に永遠の評価をしてはならない。ましてや、能力の評価を、人間の評価に結びつけるなど、もってのほかである。能力がないから人間的にもダメなやつだ、などということは絶対に思うべきではない。

(江口克彦『上司の哲学に』よる)

(60)①“できる人間"と“できない人間"とあるが、その説明として本文の内容と合っているものはどれか。


(61)( ② )に入れる言葉しとて正しいものはどれか。


(62)文章の内容と合っているものはどれか。


(2)
 長い間演劇に携わっていても、今でも驚くのが「役者はなぜこれほど変わるのだろう」ということである。メイクや衣装で、見栄えだけでも相当違って見える。が、変わるのは外見ばかりではない。立ち居振る舞いから、極端な時には人格まで変わってまっしたのだろうか、と驚くことがある。
 ー人の役者に医師の役を当てる。普段着で練習する時はそうでもないが、白衣を着せると途端に医者に見えてくる。役者だから、当然といえば当然だが、医師風の歩き方、所作、話し方に変わっていくのだ。同じ役者に、今度は兵士の役を当て、兵隊の衣装を着せる。( ① )、兵士の歩き方、喋り方になり、果ては思考方法まで兵士に変わっていく。
 アメリカの心理学者フィリップ・ジンバルドが②こんな実験を行っている。新聞で公募した二十四名を、無作為に「内人役」と「看守役」に、半分に分ける。因人役は警官に逮捕された後、取調べを受けて囚人服を着せられ、監獄に入れられる。看守役は、制服を着て、警棒を下げ、囚人を監視する。どちらも、それらしく振舞うよう指示されわけるではない。ところが、服を着せるだけで、本物らしい振る舞いになっていったのである。囚人は卑屈な態度を取り、看守は命令口調になる。
 言葉遣いは行動が変われば、やがて思考方法も変わってくる。つまり、人は服装によって変わる可能性がある。

(竹内一郎『人は見た目が9割』ぇによる)

(63)( ① )に入れる言葉として、正しいのはどれか。


(64)「②こんな実験を行っている」とあるが、実験の内容と合っているものはどれか。


(65)文章の内容と合っているものはどれか。


(3)
 人間は誰でも二つの天才的な才能を持っているそうです。言い訳をすることと、ぐずぐずすることです。この二つのことが揃ったら人怠け者の天才ができあがります。
 実際、私たちは「できない言い訳」ならいくらでも言えます。( ① )、怠ける言い訳しか言葉を使わない人もいるくらいです。
 ぐずぐずするのも人間は得意です。今しけれなばならないことがあるのに、「今でなくでもいい」と考え、先へ先へと延ばす。
 どうしたら怠け心にさよならできるのでしょうか。
 私がお勧めしたいのは、とにかく始めてみること。やらなければならないことが今そこにあるなら、「まだ準備が…」とか「できるだけ合理的に」などと考えず、とりあえず手をつけるのです。
 着手すれば、それらの問題は自ずと明らかになります。具体な的解決策を立てることもできるでしょう。また、そこから興味や面白さ、楽しさも出できます。
 つまらなそうな仕事を熱心にやっている人は、決してうんざりしながらやっているわけではありません。どんな仕事も前向きに取り組んでいると、必ず面白味が湧いてくるものです。
 「どうせこんな仕事、大して役に立つわけでもないし」
 ②これでは自分を卑屈にするだけです。すべての仕事は必要があって、生じたものですから、仕事の軽重を天秤にかけてはいけません。何事も率先して取り組み、遂行できるかどうか。③ここであなたの真価が問われます

(重茂達『「35歳までに必ずやるべきこと』による)

(66)( ① )に入れる言葉として、正しいのはそれか。


(67)②これでは自分を卑屈にするだけですと③ここであなたの真価が問われますとあるが、「これと」と「ここ」はそれぞれ何を指すのか。


(68)この文章で筆者が一番言いたいことはどれか。


(1)
 私とにっては、往復二時ほ間ど費やす満員電車の中が、自分に戻る絶好のチャンスだ。多くの人は満員電車が苦痛だというが、①私はあまり苦痛にならない。電話は来ないし、人は話しかけないし、ゆっくりと自分のことを考えて、これから何をしたいのか、自分なりの計画を練っりたする。
 「孤独」という言葉から孤立感を連想する人が多い。しかし「孤独」と「孤立」は少し違う。「孤独」には人生から切り離されたという寂しさがない。「孤立」には他人から拒否されて一人ぼっちという寂しさが付きまとう。私がいうのは前者のことである。
 また( A )は自分をゆっくり取り戻せるので、人恋しさも出てきて、人と交わることが楽しくなっていく。いつでもどこでも、年中人と交わっていたら、人と付き合うのがいやになる。適度に( B )の時間を持つことは非常に大事なことである。

(国分康孝『幸をせつかむ心理学に』よる)

(60)①私はあまり苦痛にならないのはなぜか。


(61)筆者が考える、人との上手な付き合い方はどれか。


(62)( A )と ( B )に入る言葉の組み合わせはどれか。


(2)
 品格のある人とは、何より人から信頼される人です。信頼されるには信頼される行動を取らねばなりません。信頼されるためにはすばらしい言葉を言うより、きちんとした行動を少しずつ積み重ねていかねばなりません。①信頼関係を築くたにめはホームランは必要ありません。投げられたボールをこつこつとバットに当てていくだけです。具体的に言えば、約束たし時間を守る。約束した仕事は約束した期限に仕上げる。出席する言った会合には必ず出席する。電話すると言ったらは電話する。誰かに紹介すると言ったら紹介する。送ると言った資料は必ず送る。あげると約束したものをあげる。見せてあげると言ったものを忘れずにあげる。一つ一つはたいしたことではありません。ついうっかり忘れてしまいそうなことです。でもこうした小さいことの積み重ねが、あなたの信用を作るでのす。②ちょうど百円、二百円の小銭を口座に積み立てるようなものです。こうしたお金が積もりに積もって大きな財産になっていくように、日頃の約束を守る行動が、気がついたらあなたの信用状になり、あなたの品格を高めていくのです。

(坂東真理『子女性の品格に』よる)

(63)①信頼関係を築くたにめはホームランは必要ありません。投げられたボールをこつこつとバットに当てていくだけです。とあるが、その説明ついにて正しいのはどれか。


(64)②「ちょうど百円、二百円の小銭を口座に積み立てるようなものです」とあるが、その説明ついにて正しいはのどれか。


(65)筆者が一番言いたいことはどれか。