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(1)
 私たちは地球の資源を使い、さまざまな製品を作り出しています。それらの製品の多くは消費され、使い捨てらちられています。私たちはこれを「ごみ」と呼びますが、このごみの中には再生資源として活用できるものが多いです。
 ごみを十分に再利用するためには、ごみを処理する技術の進歩が必要ですが、それとともに大切なのは、家庭でも工場でもみんなが正しく決められたとおりにごみを分けて出すということです。つまり、ごみは資源としてどれほど活用できるかは、私たちの毎日の努力によるのです。

(日検研究所「 雑文集」、による)

(1) この文が言いたいことは何か。

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(2)
 人を動かし、 会社を動かし、社会を動かすには、いい文章が書けなければならない。いい文章とは、必ずしもゃ有名な文章ということではない。うまい文章でなくてもよいが、達意、つまり、自分の考えを十分に伝える文章でなければならない。文章を書くということは、何かを伝えたいということである。自分が伝えたいことが、その文章を読む人に伝わらなければ何にもならない。

(2) 「いい文章」とあるが、筆者はそれをどのようなものと考えているか。

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 (3)
 ある言葉の特性を考える場合、他の言語と比較するのが早道です。日本語も日本語そのものを分析しているだけでは、日本語の本当の姿は見えてきません。日本語と英語を比較して、はじめて明らかになる特性もあります。これは文法面に限らず、音声でも言語活動の面でも同じような比較ができます。このように二つの言語を比較研究することを「対照言語研究」と言います。これによって、二つの言語の共通点の特性もわかるようになります。

(高見澤丘「新・はじめての日本語教育1」askによる)

(3) 「対照言語研究」の目的は何か。

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(4)
 マナーとは、 自分が接する相手や周囲の人々に対して、不快感を与えないように、思いやりの気持ちや心遣いを表現するためのものです。日本の社会ではさまざまな場面でマナーがありますが、特にビジネスの場面ではマナーが重視されます。これから皆さんがビジネス・パーソンとして仕事をしていくうえで、日本独特の慣習を理解し、マナーを身につけることは、人間関係をスムーズにし、成功への近道となると言えるでしょう。

(海老原恭子等「ビジネスマナーと基本のことば」askによる)

(4) どういう人に対するアドバイスか。

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 (5)
 大勢の人が集まって議論をするというのは難しい。意見の違う人同士がそれぞれの意見をがつけ、論じる。ときには、感情的になって、相手の欠点を批判する。批判されたほうが自分の主張を曲げないことから、ますます争いが激しくなる。そんなとき、立場を変え、相手の考えの長所を探してみる。相手への批判だけでなく、共通点、妥協点を探し出して、冷静に話し合えば、話がまとまり、いい結論を出せることがある。

(5) 「議論」をする上で大切なことは何か。

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 (6)
 今の世の中には、独り暮らしのお年寄りにちょっと難しい機械が多くあり、これからますます高見化社会が進む中で考えねばならない問題だと思う。
 例えば、自動券売機が複雑すぎて使えないとか、液晶テレビのリモコンのボタンが多すぎて分かりにくいとか、いろいろあるようだ。
 速くて便利なものを作るのもいいが、お年寄りも簡単に使えるものをもっと作ってくれないかなと思っている。

(日検研究会「雑文集」による)

(6)筆者は、今の「機械」についてどう言っているか。

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(7)
 最近、卒業の記念に旅に出る若者が多い。海外へ行く若者の中には、無理な日程のせいで熱を出したり、買い物をしすぎて、 借金をしたりする者もいるそうだ。
 だからといって、「最近の若者は困ったものだ」という結論を出すつもりはない。子供のころから大学を出るまでの間に世話になった人たちに、旅先から葉書を出すような若者もちいるはずだ。社会に出る前に広い世界を見て、自分と自分の国を外から見つめ直すのはいいことだと思う。

(深谷入美子等「実践日本語シリーズ-動詞」専門出版社による)

(7)筆者は「若者の海外旅行」についてどう考えているか。

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 (8)
 最近の若い人は、目上の人に対して敬語をあまり使わないように感じる。社会に出てから、苦労するのではないかと心配になる。
 私は、会社では上司に対して敬語を使うのが当然だし、気持ちよくコミュニケーションを図る意味で、同僚や部下にもなるべく散語で話したほうが良いと思う。
 敬語を使わずに話すと、親しくなれそうだが、社会人としてはどうだろうか。いくら愛想が良く(注)ても、散語を使えなければ周囲の人から距離を置かれることもある。私は今のうちに敬語を身につけたい。

(高校生本沢優子「社会人に敬語必須」)


(注)愛想が良い:親しくて親切な様子

(8)筆者は、「散語」についてどう言っているか。

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 (9)
 異常な暑さが続いている。こんな猛暑は70年以上生きてきて初めてだ。土蔵(注1)の整理をしていたら、小学校時代の夏休み日記が出てきた。30度と記されたのは数日しかなかった。それでも30度の日はとても暑かったと記されていた。現在は35度前後が続いている。この原因が少しでも私たち人間にあるのなら、子や孫のために、温暖化防止に真剣(注2)に取り組まねばならないと思う。なんとか、夏は風、冬は太陽の恵みを十分に活用して暮らしたいものだ。

(中山秀男氏の文より)

(注1)土蔵 : 物置、食庫
(注2)真剣 : まじめ

(9) この文のタイトルとして最も正しいのはどれか。

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 (10)
 食中毒の発生しやすい季節がやって来た。そこで気になるのが食品の賞味期限だ。店内では期限を守って陳列さんていると思って安心して買った食品でも、うっかり冷蔵庫に置き忘れてしまい、あわてて賞味期限の確認をすることがある。
 しかし、私のような高齢者にとっては、賞味期限が記された文字は小さくて見づらく、袋の表裏、上下、左右といらいらして探すことも多い。なぜ大切な表示が目立たないようになっているのだろうか。メーカーに、どの食品も一目で分かるように表示してほしい。

(坂井晴子氏の文より)

(10) 筆者は「賞味期限」について、どうしてほしいと言っているか。

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 (11)
 最近、街を見回すと、痩せた女性が増えた気がする。私も体形が気になり始め、ダイエットに挑戦してみた。
 食事量を減らすと確かに体重は減った。しかし、体がだるくて、授業中の集中力もなくなった。風邪を引くことも増えた。体が心配になり、しっかりご飯を食べるようにすると、体調はすぐに回復した。
 高校生の私でも体を壊しかけたのに、最近は成長期の小学生でさえダイエットをしていると聞く。そんな小学生が私の年齢になった時、どうなるのか不安だ

(井沢悠「ダイエット体だるく」による)

(11)「どうなるのか不安だ」とあるが、どういうことが「不安」になるのか。

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 (12)
 先日、33回目の結婚記念日を迎え、夫婦で大好きなドライブに出かけた。特に楽しいのは、車中でのおしゃべりだ。自宅では、テレビを見たり、食事をしたりしながらの会話となりがちだ。車中では2人きりで、会話そのものに集中できる。子供や孫のこと、仕事や老後のことなど、話は尽きない。ゆとりがあるせいか、互いの考えも素直に受け入れることができる。

(三輪正子「記念日ドライブ夫婦で会話楽しむ」による)

(12)この文のテーマとして、一番適当なものはどれか。

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 (13)
 プロ野球の観戦をしていた時のことです。応援していたチームの選手がエラー(注1)をしてしまいました。すると、相手チームを応援していた人が「お前に捕れるわけないだろ!」とヤジを飛ばしていました(注2)
 ぼくも野球をやっていますが、何より言われた人が一番傷つくはずです。マナーを守らない人も嫌です。スポーツが好きなら、そういうことはやめてもらいたいと思います。

(渡辺悠太郎「鶴戦はマナー守って)


(注1)エラー:ミス、失敗
(注2)ヤジを飛ばす:皮肉を言ったりして大声で非難する

̣(13) 「そういうこと」とは何か。

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 (14)
 私の学校にオーストラリアの姉妹校から生徒26人が研修に訪れ、1人の女生徒が我が家にホームステイしました。同年齢で1週間、一緒に通学しました。彼女は、街中に自動販売機がたくさんあることや犬に服を着せて散歩させていることなどに関心を持ちました。私が見ている当たり前の風大が外国人には興味深いことであると分かりました。
 彼女と過ごしたことで、文化の異なる世界の国をもっと知りたいと思いました。

(位村琴音「文化の違い面白い」による)

(14) 外国人から見た日本はどんな日本か。

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 (15)
 高校生の兄が1月にバイク事故に遭って、5か月ほど入院した。死んでいたかもしれない大きな事故だったが、その時、僕は、何とも思わなかった。僕のことをすぐ怒り、手を上げる兄が、とても嫌いだったから だ。
 少したってから何となく寂しくなり、家の中は、静かになっていった。兄が家にいなくなってはじめて、家族の大切さに気付いた。僕にとって、家族の存在は、とても大きいと思った。

(石川陸「 兄弟の大切さ気付く」)

(15) なぜ「何とも思わなかった」のか。

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 (16)
 私は古里の新潟県・佐溢へ年に数回、帰省(注1)しています。その際、港から乗るバスでは、ずの下校(注2)中の小学生とよく一緒になります。子どもたちは、バスを降りるとき、必ず運転手さんに「ありがとうございました」ととお辞儀をします。運転手さんも「ありがとう」と言葉を返します。
 子どもたちは、横断歩道では、止まってくれた車に向かっておじぎをし、渡り終わるとまた、おじぎをしていました。
 本当に温かく、うれしい気持ちになります。

(萩原照子氏の文より)


(注1)帰省:故卿へ帰ること
(注2)下校:授業が終わって帰ること

(16) 筆者は何を言いたいのか。

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 (17)
 最近、 車体一面に広告を描いたバスをよく見かけます。デザインや色彩が派手すぎるものもあり、私のように不快感や圧迫感を抱きながちら利用する人もやいるのではないでしょうか。街中を走り回るバスはPR(注)効果が高く、企業が期待するのは分かります。ただ余りに過剰だと、街の景観に合わないことだし、決してプラスにはならないと思います。
 街の景観とよく調和した広告と幅広く市民に愛されるバスになってほしいと思うからです。

(案尾斬一「派手な広告バス景観壌し不快」)


(注)PR効果:宣伝効果

(17)「プラスにはならない」とあるが、ここの「プラス」はどういうことか。

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