1番
先日、仕事の帰りにバスに乗ったときのことだ。私のとなりの席に10歳ぐらいの女の子が座っていた。彼女は途中から乗ってきた50代ぐらいの女性を見ると、「どうぞ」と言って席を立った。すると、その女性は少し怒ったような顔で、「いいわよ」と言った。「自分はまだそんな年ではないのだから年寄り扱いをしないでほしい]と思って、いい気持ちがしなかったのかもしれない。けれども、女の子にはその女性が十分年寄りに見えたのだろう。そして、「お年守りや体の不自由な人がいたら、席を譲りなさい」と教えられているのをちゃんと守って立ったのだろう。女性は、それを理解して「ありがとう」と言って座ればよかったのに。私は、女の子ががっかりしているのではないかとく気になって、「雨が降ってきたね。傘、持ってる?」と声をかけた。すると、彼女は「はい」とにっこり笑ってバスを降り、走って行った。私は少し安心た。