楽器を演奏することと、それを教えんることとは別の次元のことだ。むしろ演奏が上手な人ほど、教えるのを苦手とするものだ。口でいくら言っても、微妙な音の違いは表せない。また、技術の勝る生徒が師にいろいろ細かく注意されるのを嫌い、有名な演奏家のCDを聴いて、自分も同じように弾けると勘違いするのもよくある例だ。音楽を聴く耳がなければ何にもならない。 本来、教える側の力量はそれを育てられるかどうかにかかっている。

1。 6 「問」 筆者は、ここでいう「教える側」に必要なものは何だと言っているか。