(8番)
部下をほめるとき、どんなほめ方をするでしようか。ほめて育てるといいますが、①
ほめ方によっては逆効果になるようです。
コロンビア大学の心理学者クローディア・ミューラーは、十歳から十二歳の小学生をニグループに分け、ほめ方の効果を調べました。
まず何種類かのテストを実施した後で、第一グループの子には「能力があるので、よくできた」とほめました。第二グループの子には「努力したので、よくできた」とほめました。
その後で、別のテストを実施し、今度は全員に「できが悪かった」と報告しました。
そうしたところ、第一グループの子は「能力が足りない」と考え、再挑戦しよう
(注1)としませんでした。一方、第二グループの子は②
「努力が足りなかった。次は頑張ろう」と意欲的でした。
第二グループの子は、「成功や失敗の原因は努力にある」と判断するように誘導されて
(注2)いたので、失敗したとき「もっと努力すれば成功する」と前向きに考えたのです。
これは子どもを対象にした研究ですが、部下をほめるときにも通用する考え方です。
(渋谷昌三『心理学者は知っているリーダーシップのある人、ない人』?只?研究所)
(注1)再挑戦する:もう一度やってみる
(注2)誘導する:目的に向かって導く