(5番)
品格(注1)のある人とは、なにより人から信頼される人です。信頼されるには信頼される行動を取らねばなりません。信頼されるためにはすばらしい言葉を言うより、きちんとした行動を少しずつ積み重ねていかねばなりません。①信頼関係を築くためにはホームラン(注2)は必要ありません。投げられたボールをこつこつとバッ卜(注3)に当てていくだけです。具体的に言えば、約束した時間を守る。約束した仕事は約束した期限に仕上げる。出席すると言った会合には必ず出席する。電話すると言ったことは電話する。誰かに紹介すると言ったら紹介する。送ると言った資料は必ず送る。あげると約束したものをあげる。見せてあげると言ったものを忘れずに見せる。一つ一つはたいしたことではありません。ついうっかり忘れてしまいそうなことです。でもこうした小さいことの積み重ねが、あなたの信用を作るのです。ちょうど百円、二百円の小銭を口座に積み立てるようなものです。こうしたお金が積もり積もって大きな財産になっていくように、日頃の約束を守る行動が、気がついたらあなたの信用状になり、あなたの品格を高めていくのです。

(坂東眞理子『女性の品格』ド只?研究所)


(注1)品格:人や物がもっている質の高さ
(注2)ホームラン:野球で、打ったボールが遠くまで飛ぶ大きな当たり
(注3)バット:野球でボールを打つ棒

1。 (問1)①信頼関係を築くためにはホームランは必要ありませんとあるが、この「ホームラン」とはどんなことか。

2。 (問2) 筆者によれば、品格を高めるために必要なことはどんなことか。