「文字を読んだり計算をしたりして、いったい何の役に立つのか] と疑問に思われる方も多いと思います。このドリルの目的は、「読むこと・計算をすること」 の能力を上げることではなく、脳(とくに①前頭前野) の働きを向上させることにあります。私たち人間を人間たらしめている(注1)脳、それが前頭前野です。 生物学的に人間は動物と何が違うのか? この答えを脳科学に求めると「前頭前野が異常なほどまでに発達
しているのが人間である」 となります。
 前頭前野には異なった働きをする領域(注2)があり、そこからさまざまな大切な能力が発揮されます。
① 他者とのコミュニケーション
② クリエーティビティ(注3)
③ 積極性
④ 発想の転換
⑤ 複数の物事を同時に行う
⑥ 短期記憶 カ
 私は、これらの人能力を発揮する前頭前野の領バの多くが、文字を読むことや簡単な計算を素早くすることによっても使われることに注目しました。 前頭前野の入経細胞は、脳の他の場所の神経細胞と比べて非常に「柔軟]」な(注4) 対応力をもち、ひとつの神経細胞が多くのことをするために働くことがわかっています。したがって、読みや計算を繰り返し行い、読みや計算で働く前頭前野を鍛えれば (注5)。、その場所が 司 っている(注6)その他の能力も上がると考えたのです。
(川島 隆太『脳を鍛える携帯版大人のドリル』 くもん出版)
(注1) 人間たらしめる :「人間である|] とする
(注2) 領域 : 場所
(注3) クリエーティピティ : 新しいものをつくり出すカ
(注4) 柔軟な: その場合に合わせて変わる
(注5) 鍛える: 強くする
(注6) 司る : 支配する

1。 間1 前頭前野とは何か。

2。 問2 筆者が行ったことは何か。