以前、猫の雑誌で読者の人の投稿(注1)を読んではっとさせられた(注2)ことがある。子育てが一段落としたという投稿者の女性は、日々猫に癒されている(注3)そうなのだが、猫がごはんを食べたりしただけで「たくさん食べて偉いね」などと褒ほめちぎっているのだという。そんな自分の行動から、「自分の子供にも口うるさいことばかり言わずに、もっとやさしく接して褒めてやればよかった」と①振り返えっていたのだが、子どものいない私にもその言葉は心に染み入るものだった。
 子どもに限らず、家族や友人や恋人に私たちは様々な期待をし、時に「本人のため」という理由から厳しい態度をとることがある。特に「親」という立場であれば、子どもを自立した大人にしなければ、というプレッシャー(注4)からどうしても厳しくなってしまうだろう。しかし、それは時に本人を必要以上に追いつめ、最低限の「自信」すら奪ってしまうこともある。(中略)
 だからといって②毎日本当に食べて寝て遊んでばかりいられても困ると言えば困るが、基本的には元気でいてくれたらそれでOKな気がする。
投稿とうこう:新聞・雑誌などに読者が送った原稿
はっとする:急に何かに気づく
癒いやす:病気・傷・苦しみなどを治す
プレッシャー:精神的な圧力

1。 (1)①振り返えっていたのはだれか。

2。 (2)②毎日本当に食べて寝て遊んでばかりいられても困るとはどういうことか。

3。 (3)この文章で筆者が最も言いたいことは何か。