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 人間の作ったロボットが人間を攻撃し始めるのは、SF映画の定番だ。源流の一つに、チエコの作家チャペックによる戯曲ぎきょく「ロボット」がある。なぜ人間に刃向(注1)はむかうのか、彼ら自身が語る理由が①恐ろしい。「あなたの方がロボットのようではないからです。・・・ロボットの様に有能ではないからです。」
 ロボット頭脳となる人工知能の進歩がめざましい。この分野への投資は世界的なブームとも聞く。明るい未来につながるのだろうか.。―方で警戒する。
「完全な人工知能が開発されれば、人類の終焉(注2)を招くかもしれない。」名高い宇宙物理学者ホーキング博士が、英BBC放送に語っている。知力で勝る人間は多くの生き物を圧倒あっとうし、絶滅させた②同じことが起きないとも限らないと。
 もっとも現場の研究者に聞くと心配する水準ではないという。学習能力は「まだ2歳児程度」の声もある。だが、2歳児と比べられるところまで来たと見ることもできる。
大人になって、我々を超えるのにあとどのくらいだろう。忘れていけないのは、巨大な技術はときに私たちに牙きばをむく(注3)ということだ。
(注1)刃向かう:反抗する
(注2)終焉:絶滅
(注3)牙をむく:危害を加える

1。 (66)①恐ろしいとあるが、なぜか。

2。 (67)ここでいう②同じこととはどういうことか。

3。 (68)筆者は、人工知能の技術に対してどのように感じているか。