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現在の子どもたちにとって、より大切なのは協調性を身につけることではないだろうか。周囲の人間と協力して何かをするという能力は生きていくうえで、とても大事であり、①
それは少子化が進む現代社会では、意識的に教えなければ身にっかないものだからである。
昔であれば、家族に兄弟が多かったので、けんかをしたり仲直りをしたりしながら、何か一つのことに協力し合うという経験が、自然にできたし、家の外でも、さまざまな年齢の近所の子どもたちと遊ぶ中で、力を合わせて何かをするという機会に数多く出会ったはずだ。
しかし、子どもの数が一人以下の家庭が中心になった現在では、②
そのような場がほとんどないのである。近所の子どもが家に来ても、テレビゲームをやっているのでは、協調性など身につくはずがないだろう。
個性の尊重という教育も必要ではあるが、せっかく子どもたちが集まる場があるのだから、学校では、ぜひ子どもに協調性を身につけさせてもらいたいものである。
(アルフレッドアドラー『子どもの教育よによる)