(2)
戦後日本の経済は、奇跡とも言えるような発展を遂げてきた。それはなぜか。夢があったからである。豊かな暮らしをしたい。アメリ力に追いつき、追い越したい。そんな夢があったからこそ、国民全体が一生懸命努力をしたのだ。( )日々の食事に困っていたとしても、着るものも満足になかったとしても、常に日本人は明日を夢見ていた。いつか、すばらしい生活ができるようになる。いつか、すばらしい時代がやってくる。その夢があればこそ、貧しいながらも眼の輝きだけは失っていなかったのである。
(江ロ克彥で上司の哲学』による)