今回の震災では家だけでなく、町そのものがなくなってしまった地域もけっこうありました。数十年前から住み続けてきた人々にとって、それはただの経済的な損失に(1)。震災でなくなった思い出のものや、自分の目の前で流されてしまった親と子供たちは一生、頭の中に残っていて忘れられないでしょう。
以前、多くの日本人は祖先から家や土地を受け継ぎ、世代を重ねてきました、そこには(2 -a)、(2-b)から受け継いだものを(2-c)に継いでいくという考えがありました。世代の継続の中に自分を位置づける。こうした考えは人々に精神的な安定をもたらすでしょう。ここには世代を中継するという自分の位置づけ、そして「意味」づけがあるからでしょう。こういうものはお金で買えるものではなく、(3)が作ってくれるものです。
しかし戦後の高度成長期に、地方からあるいは小規模の都市から大都会への人口移動があり、また個人を重視する考えが支配的になって「家」は否定的に語られることが(4)昔は、「家」は仕事が終わったら帰ってゆっくりすることのできる所だったのに、核家族というものが生じて、「家」というものは休める所ではなく、ただ、学校や会社に行くために、ちょっと泊まる所という感じを持つようになりました。
私たちに、平凡な日常が過ごせる所はもうないように思われます。これから現代人が帰れる所、ゆっくり休める所を作らなければ現代人はストレスがたまって、(5)爆発するか分かりません。