コミュニケーション能力というと、皆さんまず会話能力のことを気にしますが、会話以前の問題として、からだのレスポンス能力があります。「目を見る」「うなずく」「相槌を打つ」といったことに代表される身体的な応答力のことです。からだのレスホンスがない人は、コミュニケーシヨンがどこかちぐはぐになってしまいます。
 一方、口下手で会話が苦手であっても、人の目を見て話を聞き、微笑んだり、うなずいたり、目槌を打ったりしてからだで応答できる人は、気持ちのいいコミュニケ一ションのできる人だと思ってもらえます。
 人と話すときには、きちんと相手の目を見る。顔だけをそちらに向けるのではなく、自分の臍を相手に向けます。うなずきや相槌のほかにも、いいなと思ったら拍手をするとか、非常に共感して盛り上がったらハイタッチをするというのもあります。人の言葉を耳で聞くだけでなく、からだで受け止めてからだで反応する。そうすると、場が温まっていきます。

(齋藤孝『「嫌な気分」を切り替える技術』成美堂出版より)


(注1)レスポンス:反応。対応。返答。
(注2)相植を打つ:相手の話の調子を合わせて、うなづいたり言葉を返したりする。
(注3)ちぐはぐ:ニつ以上のものが、全く合わなかったり、そろわなかったりすること。
(注4)臍:おなかの真ん中にある凹んだ部分。
(注5)ハイタッチ:特にスポーツで、二人が頭の高さで互いの手を合わせで喜びを表現する動作。

1。 問2 からだのレスポンス能力とあるが、それに含まれないものはどれか。